執筆者:末良 真里奈
vol.39
Jaya House River Park
皆さん、こんにちは。
前回まではヨーロッパやアフリカのホテルをご紹介してきましたが、今回は久しぶりにアジアのホテルをご紹介したいと思います。
今回訪れたのは、カンボジアのシェムリアップ。関西からバンコクまで行き、そこから直行便で約1時間半のフライト。初めて訪れる国です。

シェムリアップと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはり世界遺産のアンコールワットではないでしょうか。世界中から多くの旅行者が訪れるカンボジア屈指の観光地であり、歴史と文化が色濃く息づく街として知られています。
そんなシェムリアップで今回滞在したのが、温かいホスピタリティとサステナブルな取り組みで高い評価を集める「Jaya House River Park」。滞在を通して、このホテルが世界中の旅行者から愛される理由を実感することができました。早速紹介していきたいと思います。
空港に到着すると、ホテルのネームボードを持ったスタッフが出迎えてくれます。スタッフと合流した後は、専用車でホテルへ向かいます。
車内にはリフレッシュメントが用意されており、冷たいおしぼり、そしてホテルオリジナルのウォーターボトルとフレッシュフルーツも用意されており、到着直後から温かいおもてなしを感じることができます。
このオリジナルのウォーターボトルは滞在中に自由に利用できるほか、記念として持ち帰ることも可能。環境への配慮と実用性を兼ね備えた、Jaya House River Parkらしい心遣いが感じられるサービスです。


空港を出発してから約45分。今回ご紹介する「Jaya House River Park」に到着します。
実は、私も今回の滞在まではこのホテルの存在を知りませんでした。しかし調べてみると、同じシェムリアップにある有名なインターナショナルブランドのホテルよりも宿泊料金が高い日があるにもかかわらず、宿泊者からの評価はさらに高いことを発見。
「一体どんなホテルなのだろう?」
そんな純粋な興味を抱いたことが、今回宿泊を決めたきっかけです。
世界的なホテルブランドではないにもかかわらず、世界中の旅行者から高い支持を集めるJaya House River Park。その理由を確かめるべく、今回の滞在が始まりました。


エントランスを抜けると、開放的なロビーエリアに到着。

さらに奥に進むと、ラウンジエリアがあります。




どこをとっても、オーナーのこだわりが詰まっています。
チェックインと館内の案内を担当してくださったのは、なんとその、オーナー兼マネージングディレクターのクリスチャン。
「オーナー自ら出迎えてくれるの!?」と驚いたのですが、Jaya House River Parkは全40室のブティックホテル。そのため、クリスチャンはすべてのゲストの到着時に自ら挨拶をしているのだそうです。
せっかくの機会だったので、ホテルのことやカンボジアについてお話を伺いました。
まず驚いたのが、40室の客室に対して従業員数が107名もいること。そして、その全員が正社員として雇用されているということです。アルバイトや繁忙期だけの臨時スタッフはおらず、地域の雇用を守り、スタッフが安心して働ける環境を提供するために、この体制を維持しているのだとか。
さらに、ホテルではできる限りカンボジア産のものを使用し、地域経済へ還元することを大切にしています。客室のシャンプーやアメニティをはじめ、レストランで提供される食材、館内を彩るアート作品に至るまで、その多くがカンボジアで生まれたもの。
単なるラグジュアリーホテルではなく、地域や人々と共に成長していこうというホテルの姿勢が、館内の至るところから感じられました。
さて、今回滞在したのは「スイート」と呼ばれるスイートルームです。
この客室は増築された棟に位置しており、その中で唯一のトップフロアに設けられた特別なお部屋とのこと。ゆとりのある造りが特徴で、一歩足を踏み入れた瞬間から、その開放感に驚かされます。
リビングスペースからベッドルーム、バスルームに至るまで十分な広さが確保されており、滞在中はまるで自宅のようにリラックスして過ごすことができました。シェムリアップ観光の拠点としてはもちろん、ホテルでゆったりとした時間を楽しみたい方にもおすすめのお部屋です。





バスルームには、バスタブも完備。そして先ほどお伝えした、カンボジア産のバスアメニティー。




ミニバー内のドリンクは全て無料。そして毎日補充されます。



ウェルカムアメニティーのフルーツ。

所々に見かける、手作りのお花が可愛い。

そして驚くことに、宿泊料金には毎日60分のスパトリートメントが含まれています。しかも、一部屋につき2名分。ラグジュアリーホテルでもスパが宿泊特典として含まれていることは珍しく、このサービスだけでも非常に魅力的です。
ということで、チェックインを済ませると早速スパへ向かうことにしました。
緑豊かな敷地内を歩いていくと、まるでジャングルの中へ迷い込んだかのような小道が現れます。その先に佇むのがスパ棟。街の喧騒とは無縁の静かな空間が広がり、トリートメントへの期待がますます高まります。


スパに到着すると、まずは爽やかなジンジャージュースをいただきながら、カウンセリングシートに記入します。
その後は、用意された4種類のトリートメントの中から、その日の体調や好みに合わせて施術を選択。スタッフが丁寧に説明してくれるため、自分に合ったトリートメントを安心して選ぶことができます。
施術が始まる前から、心と身体をゆっくりとほぐしてくれるような、心地よい時間が流れていました。

60分のトリートメントは本当にあっという間で、至福のひと時でした。


館内にはプールが二つあり、まずはこじんまりとしたこちらのプール。

そして、もう一つのプールは24時間利用可能というのも魅力のひとつ。時間を気にすることなく、早朝や夜遅くでも自由に楽しむことができます。
なお、こちらのプールには監視員は常駐しておらず、利用は自己責任となります。その分、ゲストそれぞれが思い思いの時間を過ごせる、自由でリラックスした雰囲気が印象的でした。
夜にはライトアップされた幻想的な空間の中で泳ぐこともでき、昼間とはまた異なる特別なひとときを楽しむことができます。



ルーフトップバー「Sky Bar」もぜひ訪れたいスポットのひとつ。シェムリアップの街並みを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。ハッピーアワーにはなんとカクテルが半額に。


カンボジアは驚くほど物価が安く、ホテル内のバーとは思えない価格です。


ディナーは館内のTrorkuon Khmer Restaurantにて。

レストランのスタッフはもちろん、館内で出会うスタッフは皆とてもフレンドリー。ひとたび会話が始まると話が弾み、気づけば時間を忘れてしまうほどでした。
40室というコンパクトなホテルでありながら、107名ものスタッフが在籍していることもあり、ゲスト一人ひとりへの気配りは抜群。名前をすぐに覚えてくれるだけでなく、館内ですれ違うたびに温かく声をかけてくれます。
ラグジュアリーホテルのサービスというと、洗練されながらもどこか距離を感じることがありますが、Jaya House River Parkではまるで友人の家に招かれたかのような温かさを感じました。この心からのおもてなしこそが、多くの宿泊者を魅了する理由なのかもしれません。
おすすめしていただいた料理を注文。


地元の新鮮な食材を贅沢に取り入れた料理は、豊かな香りと深い味わいが魅力で、一皿一皿を楽しむことができました。
夜になると館内はさらに美しさを増し、昼間とはまた異なる幻想的な雰囲気に包まれます。


さて、一日の始まりは楽しみにしていた朝食から。
朝食はセミビュッフェスタイルとなっており、フルーツやパン、チーズなどはビュッフェ台から自由に選ぶことができます。色とりどりのフレッシュフルーツに焼きたてのパン、種類豊富なチーズが並び、つい目移りしてしまうほど。
メインディッシュはテーブルでオーダーするスタイルで、出来たてを席まで運んでくれます。好きなものを少しずつ楽しめるビュッフェの良さと、温かい料理をゆっくり味わえるアラカルトの良さを兼ね備えた、満足度の高い朝食でした。



フルーツやヨーグルト、ミモザを楽しんだ後は、メインディッシュをいただき、朝から大満足の内容でした。クメール料理はタイ料理のような強い辛さはなく、さまざまな香辛料がバランスよく使われているのが特徴。豊かな香りと奥行きのある味わいを楽しむことができました。


ホテルから市内までは、無料のトゥクトゥクサービスを利用することができます。

さらに、チェックイン時には専用の携帯電話が貸し出されます。あらかじめホテルの連絡先が登録されており、市内観光中に電話をかければ、どこにいてもトゥクトゥクが迎えに来てくれるという便利なサービスも用意されています。初めてシェムリアップを訪れる方でも安心して街歩きを楽しめますね。
さらに、終日観光を予定している場合は、US30ドルで専属のトゥクトゥクをチャーターすることができます。希望するスポットへ案内してくれるのはもちろん、観光中は現地で待機していてくれるため、見学後はスムーズに次の目的地へ移動可能。慣れない土地でも移動のストレスがなく、自分のペースで観光を満喫できるのが魅力です。
カンボジアでは、現地通貨のリエルに加えて、USドルも一般に流通しており、主要な場所ではだいたい使えます。アンコールワットの入場料や市内のレストランも、大体USドルで表記されています。
この日は、映画『トゥームレイダー』のロケ地としても知られるタ・プロームや、アンコール王朝の栄華を今に伝えるアンコール・トムを巡ることに。見どころを絞りながら約3時間かけて観光を楽しみ、その後ホテルへ戻りました。
遺跡群を歩き回ったこともあり、その後すぐに向かったのはもちろんスパ。Jaya House River Parkでは毎日60分のスパトリートメントが宿泊料金に含まれているため、観光後にゆっくりと身体を癒やせるのが嬉しいポイントです。
アンコール遺跡の壮大な歴史に触れた後、静かなスパで心身をリセットする――そんな贅沢な時間も、このホテルならではの魅力だと感じました。

部屋でゆっくりした後は

プールに行き、そして再びハッピーアワーへ。

シェムリアップは日中の気温が非常に高くなるため、観光は朝の涼しい時間帯に済ませるのがおすすめです。早朝から行動を開始し、暑さが厳しくなるお昼頃には一度ホテルへ戻って休憩すると、無理なく快適に過ごすことができます。
特にJaya House River Parkのようにプールやスパが充実したホテルであれば、観光の合間にホテルでゆったりとした時間を過ごすのも旅の楽しみのひとつ。午前中は遺跡観光、午後はホテルでリラックスという過ごし方が、シェムリアップを満喫するおすすめのスタイルです。
翌日は朝4時に起床し、アンコールワットの日の出を見に向かいました。
この日もトゥクトゥクを一日チャーターし、まだ辺りが暗いうちにホテルを出発。早朝にもかかわらず、多くの観光客が日の出を目当てに集まっていました。
現地に到着してから約30分。少しずつ空が明るくなり始め、やがてアンコールワットのシルエットが朝焼けに浮かび上がります。静寂の中で迎える日の出はまさに圧巻の一言。世界中から人々がこの瞬間を求めて訪れる理由を、身をもって実感しました。
早起きは決して楽ではありませんでしたが、その苦労を忘れさせてくれるほどの美しい光景が目の前に広がっていました。

7時半頃にはホテルに戻り、朝食。


その後はプールへ。なぜか滞在中はいつ訪れてもほとんど他のゲストの姿がなく、まるでプライベートプールのような贅沢な空間が広がっていました。

そして、もう一つ特筆すべきサービスが、ランドリーです。Jaya House River Parkでは、なんとランドリーサービスを無料で利用することができます。
観光から戻ると、シャワーを浴びて着替え、また翌日も遺跡巡りへ。シェムリアップは暑さも厳しいため、どうしても洗濯物が増えてしまいます。そんな旅行中のちょっとしたストレスを解消してくれるのが、このサービスでした。
さらに驚いたのは、その仕上がりの早さ。私の場合は朝にランドリーへ出したところ、お昼過ぎにはきれいに仕上がって戻ってきました(混雑状況によって異なる場合もあると思います)。
長期滞在はもちろん、荷物をできるだけ少なくしたい旅行者にとっても、とてもありがたいサービスだと感じました。
ディナーは市内のレストランで楽しみ、ホテルへ戻ってからは名残惜しい気持ちを感じながら最後の夜を過ごしました。
そして翌朝、チェックアウトの時間に。気がつけば、3泊4日の滞在は本当にあっという間でした。
世界遺産のアンコールワット観光はもちろんのこと、温かいホスピタリティ、毎日のスパトリートメント、そしてまるで自宅のようにくつろげる居心地の良さ。Jaya House River Parkでの滞在は、単なるホテルステイではなく、シェムリアップという街そのものをより深く好きになるきっかけを与えてくれました。
多くの旅行者から高い評価を受けている理由を実際に体感し、「また帰ってきたい」と素直に思える、そんな特別なホテルでした。
滞在中、特に印象に残ったスタッフが、JimmyとFinnです。
エネルギッシュでいつも笑顔を絶やさないJimmyは、その明るい人柄で周囲を自然と元気にしてくれる存在でした。Finnは、外出先から戻るたびに温かく迎えてくれ、次に訪れる場所やおすすめの過ごし方について親身にアドバイスをしてくれました。
もちろん、素晴らしかったのは彼らだけではありません。しかし、二人の心のこもったおもてなしは特に印象深く、Jaya House River Parkでの滞在をより特別なものにしてくれたように思います。
旅先を決めてからホテルを選ぶのが一般的かもしれません。しかし今回の滞在を通して、私は「Jaya House River Parkにまた泊まりたいから、カンボジアを再訪したい」と思うようになりました。
それほどまでに、このホテルで過ごした時間は特別なものでした。温かいホスピタリティ、地域とのつながりを大切にする姿勢、そして心からくつろげる空間。そのすべてが、単なる宿泊施設を超えた価値を与えてくれます。
アンコールワットを訪れるためのホテルではなく、このホテルに滞在すること自体が旅の目的になる――。Jaya House River Parkは、そんな数少ない存在だと感じました。
シェムリアップへの旅を検討している方はもちろん、「心に残るホテルステイ」を求めている方にも、ぜひ一度訪れていただきたい一軒です。


































