<タキシフォリン連載:第3弾>ロシア科学アカデミー会員と大手メーカー幹部にインタビュー 老けない体を目指す|世界が認めた細胞レベルの若返り成分「タキシフォリン」

執筆者:水上 ゆかり
ロシアでは医薬品原料としても認可されているカラマツエキス末。日本では食品素材としての利用が認められています。その主成分「タキシフォリン」には様々な健康機能が報告されており、近年、タキシフォリン含有のサプリメントが販売されるなど、注目を集めています。
本記事では、世界最大のタキシフォリンメーカー「アメチス社」のラシン氏とオストロンコフ氏、ならびにロシア科学アカデミー通信会員のニファンチエフ先生にオンラインインタビューを実施し、タキシフォリンの有効性について伺いました。

 

今日はロシアからご参加いただき、ありがとうございます。まずは、ニファンチエフ先生の活動内容を教えてください。

ニファンチエフ 私の経歴や研究内容については、話す内容がたくさんあります。もう若くありませんから(笑)。
私は、ロシア科学アカデミーの「N.D.ゼリンスキー有機化学研究所」で働いています。ここは、ロシアの有機化学の代表的な研究機関です。これまで、複合多糖に関する研究指導や、炭水化物がさまざまな病気に与える影響を研究しながら、医薬品やワクチン、診断薬の開発に携わってきました。医療化学、天然化合物、バイオ有機化学、生物活性物質の研究も行っています。2020年からは、「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」で、有機化学と生物分子化学の部門の会長を務めてきました。IUPACは、化学部門において国際的に最も権威ある学会です。

アメチス社とは、どのように関わっておられますか。

ニファンチエフ アメチス社と知り合ったのは、15年以上前のことです。当時、私はタキシフォリンの他に、医薬品として注目されていたアラビノガラクタンや、ホルモン減退によるガンに有効とされたセコイソラリシレシノールも研究対象にしていました。この多糖類や炭水化合物は、医薬品や食品、そして工業用に使える物質です。アメチス社とは、これらの研究を通じて長年交流をもち続け、多くの成果を残すことができました。今やアメチス社は、健康や医療の分野においてパイオニアの役割を担っています。私はいつも、アメチス社の製品が高く評価されていることを嬉しく思っているんです。

アメチス社の事業をご紹介いただけますか。

ラシン 弊社は、世界最大のタキシフォリンメーカーです。現在、26カ国にタキシフォリンを輸出しています。アメリカ、ヨーロッパ、インドの他に、最近、中国でも使用許可を得ることができました。弊社の強みは、カラマツ産地であるロシアのダウリヤ地域のほど近くに位置していることです。1960年末頃からタキシフォリンの研究を始めておられたチュカーフキナ先生と、協同作業を進めてきました。2003年から18年にわたり、工業レベルでの生産を継続できていることも、弊社の誇りの一つです。現在では、90~99%以上の高純度のタキシフォリンを生産しています。ロシアでは、サプリメントなどの機能性食品、化粧品、食品の酸化を防ぐための保存料として大量に利用されています。実は、一部の病気への治療薬にも使われているんですよ。

ロシアでタキシフォリンはどのように評価されていますか。

ラシン タキシフォリンは、ロシアでは1950年代から広く知られていました。ロシア科学アカデミー・シベリヤ支部のイルクーツク木材化学研究所のラボで、ダウリヤ地域のカラマツに、タキシフォリンが含まれていることが発見されたんです。ダウリアカラマツは、アムール州やハバロフスク地方に多く自生しています。ラボを指導していたのは、タキシフォリン研究の創始者であり、当時イルクーツクの国立有機化学研究所の研究員であったチュカーフキナ先生でした。先生のお力で、タキシフォリンを医薬品や食品産業用、飼料添加物として利用するための研究が行われたんです。その後、タキシフォリンは産業レベルで使われるようになりました。今ではタキシフォリンは、抗酸化作用が高く、ガンや糖尿病、循環器系、呼吸器系の疾患の治療薬としても有益であることが確認されています。身体を若返らせる効果も期待されており、将来性のある物質としてロシアでは高く評価されているんです。

オストロンコフ そうですね。ロシアではすでに、タキシフォリンを主成分とする、さまざまな物質と組み合わされた130種類ものサプリメントが販売されています。ヨーロッパでは、心臓血管疾患の治療薬としての研究がさかんです。日本でも確か、「認知症やアルツハイマー病の発症原因となるアミロイドβを抑制した」という動物実験の研究成果が発表されていましたね。

ラシン 日本の高齢化は、著しく進んでいます。今お話に出た認知症やアルツハイマー病、ガンなども増加傾向にあるようですが、タキシフォリンは、まさにこのような疾病の予防薬としての可能性を秘めています。我々のパートナーであるDHQ社をはじめ、日本の研究機関が、タキシフォリンをすばらしい医薬品に仕上げてくれることを期待していますよ。アメチス社はこれまで通り、高品質のタキシフォリンを必要量提供することを保証しますから。

ニファンチエフ先生は、タキシフォリンにどのような期待を抱いておられますか。

ニファンチエフ タキシフォリンは、外傷などによる神経障害の治療や神経細胞の再生の薬として非常に有望です。すでにドイツなどでは、良い結果が出ています。日本の学者は、神経分野でタキシフォリンについての論文を発表していました。そして、著名なサイエンス誌には、タキシフォリンを医療の分野で役立てようとしている事例が取り上げられるようになりました。昨今でのこうした変化は、タキシフォリンが細胞レベルで人体に作用する可能性を示しています。つまり、単に抗酸化作用だけには終わらず、受容体をターゲットにした医薬品になり得るということです。

タキシフォリンの効果と、人の健康増進に果たす役割をどのように評価されていますか。

ニファンチエフ この質問をしていただき、とても嬉しく思います。私は、長い間タキシフォリンの研究を続けてきました。ロシアでのタキシフォリン研究には長い歴史がありますが、実は、研究を始めたのは同じく化学者だった私の父でした。彼は、この分野のパイオニアとして面白い研究を始めました。 我々の研究や、他の研究者の多くの論文でも、タキシフォリンは「抗酸化剤」としての作用が強調されています。多くの病気は、体内に有害な作用をもたらす「フリーラジカル」のシグナルが脳に伝達されて進行するわけですが、抗酸化作用によってこのメカニズムは阻害されます。ここで、タキシフォリンの「抗酸化剤」としての作用が生きてくるということです。

タキシフォリンを医薬品として開発することの有用性はわかりました。一方で、日常的に食品として摂取することで健康に役立てられると考えられますが、先生はどう思われますか。

ニファンチエフ 私もまったく同感です。諸器官の老化やラジカルプロセスなどを抑え込むために、強力な抗酸化物であるタキシフォリンを用いることは有益と言えます。抗酸化剤とポリフェノールなどのフェノール化合物が人の健康のために、特に高齢者にとって確実に有効であるという論文は、何千と発表されています。
他にも、先ほどお話が出たアルツハイマー病の治療薬としてのポテンシャルも高い。「神経細胞保護薬」、「心臓保護薬」として、また抗エストロゲン効果により、ホルモン減退によるガンにも有効に作用します。このように、天然化合物タキシフォリンはたくさん有益な特徴を備えていると考えています。

先生は昨年4月のモスクワでの会議で、抗新型コロナ薬剤開発のための候補の一つとしてタキシフォリンを推薦されました。タキシフォリンは、COVID-19の治療薬としても利用できるとお考えですか。

ニファンチエフ  免疫暴走が新型コロナウイルス感染の重症化を引き起こします。私は、この感染症の重篤な症状を抑えるためには、抗酸化剤であるタキシフォリンによる「内服療法」が有効だと考えています。タキシフォリンは、「抗酸化剤」としてだけでなく、免疫調整の効果があるとされています。私は、細胞再生、特に心筋細胞や神経細胞などを保護すると同時に、免疫の暴走を止めるうえでも有効であると見ています。

オストロンコフ 実際、ロシアの大手メーカー各社は、タキシフォリンを使ったCOVID-19の治療薬を開発中です。タキシフォリンが一定評価を得ている日本においても、この分野での活用が今後さらに進んでいくことを期待したいですね。

タキシフォリン以外に注目している成分はありますか。

ニファンチエフ アメチス社の他の天然由来の製品だと、例えばアラビノガラクタンやチャガに注目しています。これらは、私の研究対象にもなっています。このうちアラビノガラクタンは枝分かれした構造をもつ多糖で、工業用に役立ちます。食品としては、腸内菌叢の調整に効力を発揮してくれるでしょう。タキシフォリンもそうですが、私は医薬品としての可能性を有している物質にとても興味があるんです。

日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

ニファンチエフ 日本は私たちのすぐ隣の国ですし、もっと関係を強めていかなければなりません。交流のテーマや、協力しあえる材料はたくさんあるはずです。私は、これからもロシアと日本の架け橋として、両国の産業の発展に貢献していきたいと考えています。ロシアの森林の産物が、日本の皆さまの健康に役立っていることを嬉しく思います。「優遊自適」の読者の皆さまには、ご健康とご多幸を、特に時節柄コロナウイルスに罹らぬようお祈り申し上げます。

オストロンコフ 私たちのタキシフォリンが、サプリメントの原料として使われていることを嬉しく思います。アルツハイマー病の治療や予防にタキシフォリンを役立たせようと努力されている、日本の関係者の方々にも感謝を伝えたい。日本での治療薬の開発は、すでに大きな一歩が踏み出されています。今後の展開に、ぜひ注目ください。

ラシン 日本でのタキシフォリンの用途の開発は、群を抜いて早いスピードで進んでいます。ガンやアルツハイマー病、認知症の分野における壮大なプロジェクトを進めるためには、ニファンチエフ先生や日本の先生方との協力関係が欠かせません。私も、もっと密接に関わっていきたいと思っています。これからも、日本におけるタキシフォリンの需要が飛躍的に伸びていくことを期待したいですね。

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ロシア科学アカデミー会員
ニコライ E. ニファンチエフ
1958年、ソ連邦クラスノヤルスク生まれ。M.V.ロモノーソフ・モスクワ国立総合大学で化学を学んだ後、ロシア科学アカデミーのN.D.ゼリンスキー有機化学研究所のアカデミー会員に。1984年、N.K.コチェトコフ研究室で博士号を取得した後、新研究ユニット「複合糖質化学研究室」を設立。2006年、教授職を取得。合成、核磁気共鳴、オリゴおよび多糖の構造研究分野で430以上の論文を発表。現在は、国内外の製薬メーカーと協力関係を結んで活動している。

 

アメチス株式会社 創始者・代表取締役社長
セルゲイ A. ラシン
アメチス株式会社 CEO
ウラジーミル S. オストロンコフ
1998年7月、ロシア共和国アムール州ブラゴベシチェンスク市に創設。2003年12月以降、タキシフォリン90%規格のカラマツエキス末、アラビノガラクタンの製造を本格的に開始。カバノアナタケエキス(チャガ)、カラマツ油、カラマツ樹脂などの製造も行う。カラマツエキス末は、アメリカ合衆国で安全と認められた食品に与えられる食品安全認証制度の「GRAS(Generally Recognized as Food) 」を2009年に取得。2016年にはEUで「Novel Food Ingredients」を取得し、安全かつ革新的な新規食品として認められた。
この記事の取材協力・執筆者
取材協力
株式会社DHQ
執筆者
水上 ゆかり
福岡出身、横浜在住。福岡の零細企業でフリーマガジン・タウン誌の編集者として4年間孤軍奮闘。ミュージシャンや俳優、経営者、学生などから多岐にわたるテーマの取材・撮影を行い、1年間は編集長も兼務。その後、オーガニック製品(食品・化粧品・雑貨)の企画職を経て、2017年にフリーのライター・編集者に。同年、アロマ検定1級を取得。化学物質に頼らない暮らしを日々実践中。
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