消防設備の点検業務は、建物の安全を守る重要な仕事であり、設備士たちは日々現場を巡回し、法令に基づく点検を行っています。しかし長年、人手中心の業務や地域差、報告書作成の煩雑さなど、業界には多くの課題が残されてきました。

近年、こうした課題に対応する形でDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が広がり始めています。AIやIoTの活用、クラウド管理、ロボット巡回など、最新技術を取り入れた業務効率化の動きが活発化。特に、現場での作業負担を軽減しながら法令点検の品質を向上させるシステムへの関心が高まっています。

サミットで見えた業界の最前線

2025年10月に東京・虎ノ門で開催された「第2回 消防設備士サミット」では、こうしたトレンドが一堂に会しました。会場ではAIによる自動異常検知、IoTを活用した遠隔点検、ロボット巡回など、従来の点検常識を覆す新技術が紹介され、来場者は熱心にブースを回りながら最新技術に見入っていました。

メインホールでは、業界の著名人や現役設備士によるセッションが行われ、「10年後の消防設備をどうするか」などをテーマに、技術と現場の共存について議論されました。若手や女性設備士によるリアルな現場の課題やキャリアの悩みも紹介され、業界の多様性と可能性が浮き彫りになりました。

スマテンが取り組む現場DX

こうした動きの中で注目されたのが、スマテンの取り組みです。スマテンは、建物管理者と点検士をつなぐプラットフォームとして、業務効率化と点検品質の向上を同時に実現するシステムを提供しています。

特に、点検士向けアプリ「スマテンUP」は現場で報告書作成を完結できる機能を備えています。従来、事務所で数時間かけて作成していた報告書も、現場で撮影・入力するだけで提出まで完了。これにより、設備士はより多くの現場に集中できるようになりました。

また、スマテンは全国の点検士に案件を届け、日程調整や顧客連絡もサポート。点検士は「決まった日時に訪問し、作業を行うだけ」というシンプルなフローで業務を進められるため、負荷の高い業務でもスムーズに対応できるようになっています。導入事業者からは、「新規案件が増え、安定的に業務を受けられるようになった」という声も届いています。

DXは単なる技術導入ではない

サミットを通じて感じられたのは、業界のDX化は単なる機械化やシステム導入ではないということです。重要なのは、現場の課題やニーズを理解した上で技術を活用し、人と技術をどう共存させるかを考えること。スマテンは、現場の声を起点に業務フローを改善しながら、業界全体の安全性向上に貢献しています。

まとめ:現場と技術をつなぐスマテンの役割

消防設備業界は、今まさに変革の入口に立っています。最新技術の導入と現場理解、そして人的ネットワークの活用が、今後の業界変革の鍵となるでしょう。

スマテンは、現場の声を尊重しつつDX化を推進することで、全国規模での点検網を支え、設備士の負担を軽減すると同時に、法令点検未実施のない社会を目指しています。現場と技術、人をつなぐ存在として、消防設備業界の未来を支える取り組みは、これからも注目に値するでしょう。

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