執筆者:末良 真里奈
vol.46
The Ritz-Carlton Bangalore
皆さん、こんにちは。
前回まで2回にわたって、初めて訪れた国・モルディブのリゾートをご紹介しましたが、今回もまた、私にとって初めて訪れる国のホテルをご紹介します。
モルディブから成田へ戻り、私用のため2日間だけ大阪へ。 そこから関西国際空港を出発し、シンガポールを経由して、今回ご紹介するホテルのあるインド・バンガロールへと向かいました。
「インドのシリコンバレー」とも呼ばれる、IT産業の一大拠点として知られる街です。近年では世界中から多くの企業や人が集まり、インドの中でも特に国際色豊かで活気にあふれています。
バンガロール空港に到着すると、ホテルから二人のスタッフが出迎えてくれました。
駐車場に停めてある車まで移動。BMWの車内には、ミネラルウォーターをはじめスナックや新聞、そしてWi-Fiまで完備。


車を走らせることおよそ1時間。今回ご紹介するホテル「ザ・リッツ・カールトン・バンガロール」に到着します。

エントランスに到着すると、まずは薔薇の花びらがシャワーのように降り注ぐ、華やかな演出でお出迎え。
さらに、インドの伝統的なおもてなしのひとつとして、額には赤い色のペーストとお米を添えていただきます。
赤い印は「ティカ(Tika)」や「ティラク(Tilak)」と呼ばれる習慣のひとつで、祝福や幸運、歓迎の気持ちなどが込められているそう。お米もまた、インドでは祝福の場で用いられる大切なものです。
そして最後に、インド産のスカーフを首にふんわりと巻いていただきました。
これから始まる3泊4日のステイが、ますます楽しみになるような、心温まるお出迎えでした。
今回、私がステイをしたのは「Carlton Suite」。
102sqmのゆったりとした広いお部屋に加え、クラブアクセス付きのプランのため、チェックインはそのままクラブラウンジへ。
シャンパンをいただきながら、優雅にチェックインの手続きを進めました。
リッツ・カールトンのクラブラウンジでは、世界中どこのリッツ・カールトンでも、一日5回のフードプレゼンテーションが用意されています。
さらに、クラブラウンジがオープンしている時間帯であれば、早朝からシャンパンを楽しめるのも魅力のひとつ。
これまで数多くのホテルのクラブラウンジを訪れてきましたが、ここまで食事やドリンクが充実したクラブラウンジは、なかなかありません。滞在中、時間帯ごとにさまざまな楽しみ方ができるのも、リッツ・カールトンのクラブラウンジならではの魅力です。
チェックインの手続きを終えると、そのままお部屋までエスコートしていただきました。
お部屋に入ってまず目に飛び込んできたのは、ゆったりとした広さのリビングルーム。
デスクスペースもしっかりと確保されていて、長期滞在でも快適に過ごせそうな空間です。


ベッドルームも、十分すぎるほどの広さ。


ウォークインクローゼットは、二週間は滞在できそうなくらいの収納力。

バスルームは、使い勝手の良いダブルシンク。さらには、バスタブも完備。


そして、バスアメニティには「diptyque」。

ウェルカムアメニティには、スイーツの数々にフルーツの盛り合わせ、そしてホテルマネージャーからの心のこもったお手紙まで。

長時間のフライトでかなり疲れていたこともあり、ランチはレストランへは出かけず、ルームサービスをオーダーすることにしました。
せっかくなので、インドらしいものをいただこうと、南インド名物のビリヤニをオーダー。合わせてサラダとマサラチャイも。



スパイスがしっかりと効いたビリヤニは、これまでいただいたビリヤニの中でも、ダントツで一番と思えるほどの美味しさ。
長時間のフライトの疲れも少し和らいだところで、そのままスパへ。この日は、90分のトリートメントをお願いしました。


あまりの気持ちよさに、思わず眠ってしまいそうになるのを必死に我慢しているうちに、90分があっという間に過ぎていきました。
トリートメントの後には、ジンジャーティーとカットフルーツも用意されていました。

そして、お部屋に戻ってみると……なんと!

実は事前に、ホテルへ「ジムにレンタルシューズはありますか?」と問い合わせていたのですが、その際に靴のサイズを聞かれていました。
まさか、そのために私のサイズに合わせた新品のシューズを用意してくださっていたとは!
サイズを確認された理由が、まさかこんな素敵なサプライズにつながっていたとは思いもせず、これには本当にびっくり。
細やかな心遣いと、期待をはるかに超えるホスピタリティに、到着初日からすっかり感動してしまいました。
その後、「The Lobby Lounge」にてアフタヌーンティーを。


こちらでいただくアフタヌーンティーは、マルチディシプリナリー・キュリナリー・アーティスト、Eeshaan Kashyap(イーシャン・カシャップ)とのコラボレーションによるもの。
マルチディシプリナリー・キュリナリー・アーティストとは、「料理」をベースにしながら、アートや科学、デザイン、音楽など、さまざまな分野を掛け合わせ、新しい食の体験を生み出す表現者のこと。
そんな彼の独創的な世界観が詰め込まれた、まさに「食べるアート」ともいえるアフタヌーンティーを楽しむ事ができます。
まずは第一弾。
ペンシルに絵の具、そしてキャンバスまで、なんとすべて食べることができます。見た目はまるで本物の画材そのもの。実際に触れて楽しみ、そして最後には味わっていただくという、これまでのアフタヌーンティーにはない、新しい食の体験です。

そして第二弾には、さまざまなフルーツや食材をふんだんに使用した、色鮮やかなスイーツとセイボリーが登場します。

見た目にも美しく、まるで小さなアート作品を眺めているかのよう。
そして、このアフタヌーンティーはとても人気があるそうで、大人はもちろん、子どもも一緒に楽しめるのが魅力のひとつ。
食を楽しむだけではなく、遊び心のある仕掛けもたくさん詰まっているので、世代を問わず楽しめるのも納得です。
ホテル館内の至る所には、アートの数々が。



この日は、バンガロールのナイトライフを満喫。
実はバンガロールは、ムンバイに次いで、インド国内でもおしゃれなバーが多い街として知られています。
スタイリッシュなバーやルーフトップバーなど、個性豊かなお店が数多くあり、夜になると昼間とはまた違った華やかな雰囲気に。ということで、この日はバーホッピングを楽しみました。
さて、翌朝はオールデイダイニング「The Market」にて、朝食からスタート。




せっかくインドに来たので、この日はインド料理を中心に、気になるものを少しずついただいてみました。
スパイスはしっかりと効いていますが、辛さはそれほど強くなく、日本人の方でも楽しみやすい味わいだと思います。そして、南インド料理といえば、やはりドーサは外せません。
この日は、少し作業をしたりと何かとバタバタしていて、気づけばお昼過ぎ。
お部屋に戻ってみると――。
すでに清掃はきれいに終わっており、さらにベッドの上には、なんとメッセージとプレゼントまで用意されていました。

こうしたさりげない心遣いが、本当に嬉しいものです。
遅めのランチはモダン中華料理の「Yàn Yǎn」へ。

まずは、今回初めていただくインドワインから。

お料理は、スープに小籠包、メインにはチキンと蓮根の炒め物、そして野菜のガーリック炒めをいただきました。もちろん、デザートも。




どのお料理も本当に美味しくて、インドにいることを忘れてしまうほど。 まるで中国を訪れているかのような、本格的な味わいを楽しむことができました。
食事の途中には、シェフもご挨拶に来てくださり、料理についてのお話を伺うこともできました。
その後は、クラブラウンジにてソムリエによるワインテイスティングを。



それぞれのワインの特徴や産地について丁寧に説明していただきながら、一杯ずつゆっくりと味わいます。
ワイン好きの私にとって、ソムリエの方とワインについて語り合い、意見を交わす時間はとても有意義で、何より楽しいひとときでした。
さあ、18時半からは「Yakshagana(ヤクシャガーナ)」のパフォーマンスを、エントランスエリアで鑑賞しました。
まずは、エントランスに灯りをともすところからスタート。私もお手伝いさせていただきました。

ここで少し、「Yakshagana(ヤクシャガーナ)」について。
Yakshaganaは、インド・カルナータカ州の沿岸部で受け継がれてきた伝統芸能で、音楽、歌、ダンス、演劇、そして色鮮やかな衣装やメイクを組み合わせた、いわば「踊る演劇」です。
『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』などの叙事詩や神話を題材に、力強い音楽と華やかな衣装で物語を表現する、カルナータカを代表する伝統文化のひとつ。
近年では、若い世代の間で伝統芸能に触れる機会が減りつつあるともいわれています。
そんな中、ザ・リッツ・カールトン・バンガロールでは、ホテルで地域の伝統文化を紹介する機会を設け、その魅力を次の世代へつないでいく取り組みも行っています。
単なるエンターテイメントとして楽しむだけではなく、カルナータカの文化や歴史に触れることができる――。
ホテルに滞在しながら、その土地ならではの文化を体験できるのも、とても印象的でした。

その後は、今回とても楽しみにしていた、ホテル内のスピークイージーバー「The Cloak Society」へ。そのコンセプトは、「知る者だけが辿り着ける場所」。
ということで、ここでは行き方については詳しく書かないことにしますが……もう、びっくり仰天。
「えっ、ここから?」という驚きの連続で、辿り着くまでの過程そのものが、ひとつのアトラクションのようでした。
バーでは、オリジナリティあふれるカクテルを数杯いただきながら、秘密の空間をゆっくりと楽しみました。


絶対に知らずには辿り着くことができないので、ぜひ、すでに「The Cloak Society」を知っている方を探して、連れて行ってもらってください。
きっと、これまでに体験したことのない、特別な夜になるはずです。
ディナーはミシュラン星付きシェフ、Rohit Ghai(ロヒット・ガイ)が手掛ける「Zarqash」。


北西インドのフロンティア地方の料理を中心に、ジューシーなカバブや香り豊かなビリヤニ、伝統的なインド料理の数々を楽しむことができます。





前菜でいただいたチキンティッカから、もう美味しくて美味しくて。
続いて、ベジタリアンケバブにバターチキンカレー、そしてガーリックナンまで。
どのお料理もスパイスの香りが豊かで、一口ごとに本場ならではの味わいを感じます。
「今まで日本でいただいていたインド料理は、一体何だったのだろう」と思ってしまうほど、その美味しさに圧倒されました。
本場インドでいただく料理の奥深さを、改めて実感したディナーでした。
食後には、インドの伝統的な嗜好品「パーン」を。

ビンロウジュの葉に甘いフィリングを包み、食用銀箔をあしらった華やかな一品。インドでは食後の口直し及び消化を助けるものとして食べられます。
インドならではの食文化を、最後のひと口まで楽しむ事ができました。
さて、その後は館内のカクテルバー「Tequiro」へ。入り口には、長蛇の列が。

ここ、バンガロールはTime Outの「2026年 世界で最もナイトライフが楽しめる都市ランキング」で世界17位になっています。
土曜日ということもありましたが、多くの人がダンスそして音楽を楽しんでいました。


この日も遅めの就寝です。
さて、翌日も朝から予定があったので、この日は少し早めに起床。
朝食をゆっくり食べている時間はなかったのですが、せっかくなので、サクッとクラブラウンジの朝食だけ見に行ってみることにしました。






ラウンジに並んでいた朝食は、どれも綺麗にディスプレイされていて、品数もかなり豊富。
インド料理だけではなく、西洋料理もたくさん用意されていました。
この日向かった先は、Mysore Palace(マイソール宮殿)。ホテルから車で約150km、2時間離れた場所にある宮殿。
マイソールは、かつてマイソール王国の都として栄えた歴史ある街。長くこの地を治めたワディヤール王朝の王宮として建てられたのが、現在のマイソール宮殿です。実は現在の宮殿は、もともとの建物ではありません。

1897年、当時の宮殿が火災によって焼失。その後、新しい宮殿の建設が始まり、1912年に現在の建物が完成しました。
インドの伝統的な建築に、イスラムやヨーロッパなどの様式を取り入れた華麗な建築で、現在ではマイソールを象徴する場所となっています。
この日は、ロイヤルファミリーの末裔にあたる方に、特別に宮殿内を案内していただきました。
普段は入ることのできないロープの先まで入れていただき、貴重で特別な体験をすることができました。




豪華な内装はもちろん、宮殿の歴史についても一つひとつ丁寧に説明していただき、インドの歴史をより深く知ることができました。
ザ・リッツ・カールトン・バンガロールでの最後の夜は、「IZU」にてディナーを。

IZUは、日本料理をベースに、ペルー料理の鮮やかな味わいと日本の調理技法を融合させた、独創的な日系フュージョン料理を楽しめるレストラン。
カウンターそしてテーブル席があり、せっかくなのでカウンターでいただきました。






新鮮な魚は、日本から直接仕入れているとのこと。まさかインドで、お寿司を食べるとは思いませんでした。
翌朝は早朝のフライトだった為、朝一に朝食を食べ、ホテルカーで空港へ向かいました。


いかがでしたでしょうか?
これまで国内外の数々のリッツ・カールトンに宿泊してきましたが、シティホテルというカテゴリーでは、ザ・リッツ・カールトン・バンガロールがダントツで一番良かったと感じました。
もちろん、滞在中に用意してくださった数々のサプライズも素晴らしかったのですが、それ以上に心に残ったのが、スタッフの皆さんの温かいおもてなし。館内のどこへ行っても、スタッフの方が私のことを認識してくださり、自然に名前で呼びかけてくださったのです。
「自分のことを覚えていてくれている」という嬉しさと、まるでホテル全体で温かく迎えていただいているような感覚。こうした細やかな心配りの積み重ねが、今回の滞在を特別なものにしてくれました。
まさに、プリンセスになったかのような体験。
この3泊4日は、きっとこれからも忘れることのない、特別な滞在になりました。
インドというと、日本人にとってはまだまだ「危ない」というイメージがあるかもしれません。
ですが、今回私は一人でインドを訪れましたが、特に大きな問題もなく、安心して旅をすることができました。
それ以上に印象に残ったのは、インドという国が持つ圧倒的なエネルギーです。
街の喧騒、人々の活気、そこに暮らす人たちの生命力。実際にその場に身を置いてみると、日本ではなかなか感じることのできないような、独特の熱気に圧倒されました。
次の旅行先としてぜひインドを、そしてホスピタリティ溢れる、ザ・リッツ・カールトン・バンガロールに滞在してみてはいかがでしょうか?