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最近、入浴が面倒になってきたと悩んでいませんか。
確かに、年齢を重ねると入浴することに疲れてしまい、最低限で済ませてしまう人は増えるものです。
しかし、シニア世代の入浴にはメリットやうれしい効果があります。
今回は、入浴のメリットや効果、入浴の際に気をつけたいことについて解説します。また、入浴が楽になるグッズも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
高齢者が入浴する4つのメリット
年齢を重ねると入浴することで体力を消耗してしまうため、入浴しないようになってしまったという人は少なくありません。
しかし、ご年配の方が入浴すると以下のようなメリットを感じられます。
- 身体が清潔になる
- 新陳代謝が促進できる
- 眠りの質が上がる
- リラックスできる
メリットを知れば、きっと入浴に対してポジティブな気持ちになりますよ。
詳しく確認していきましょう。
1.身体が清潔になる
入浴の目的は、身体を清潔に保つことです。身体をきれいにすることで細菌・雑菌による感染症を防ぎ、不快な臭いを防げます。
また、皮膚を清潔に保てば、床ずれやかぶれの対策にもなります。
介護を受けている人は、ヘルパーさんの困りごとを減らすことにも繋がりますので、意識するようにしましょう。
2.新陳代謝が促進できる
湯船に浸かって体を温めたり、体や髪の毛を洗って刺激を与えたりすることで、新陳代謝の促進が期待できます。
血行が悪くて肩こりや腰痛を起こしていたり、病気によって関節がこわばっていたりしても、入浴によって緩和されるでしょう。
体が動きにくい人や、肩こりや腰痛に悩まされている人は、入浴して身体を温めることをおすすめします。
3.眠りの質が上がる
入浴することで汗をかき、程よい疲労を感じることで、眠りの質が高まりやすくなります。
シニア世代の活動量は、現役世代と比べると少なくなりがちです。そのため、運動代わりに入浴することで自然な入眠を促せます。
ぐっすり眠ることができれば、すっきりとした気分で翌朝を迎えられるでしょう。
4.リラックスできる
湯船に浸かって温もりや開放感を感じることで、リラックスできます。
この理由は、38〜40度のぬるま湯に浸かることで副交感神経が刺激されるからです。お風呂で歌を歌ったり、ふーっと大きく息をつくことも、心身のリラックスに効果的と考えられています。
ゆっくり湯船に浸かることで気分転換でき、1日の疲れが癒やされるでしょう。
高齢者の入浴時の注意点
入浴はご年配の方にとってメリットがあります。
しかし、入浴時の注意点も知っておかなければ健康を脅かすことになりかねません。
入浴時には以下のことに気をつけて、思わぬ怪我や病気につながらないようしましょう。
- 体調が悪い時は控える
- 転倒対策をする
- ヒートショック対策をする
- 半身浴を基本とする
それぞれ詳しく解説します。
1.体調が悪い時は控える
体調が悪い時は無理をせず入浴を控えるようにしましょう。
なぜなら、体調を悪化させるかもしれないからです。入浴が気持ちいいと感じるには、身体が健康でなければなりません。
また、「入浴=しんどい、疲れる」といったマイナスのイメージにつながる原因にもなります。
ちなみに、ご年配の方の入浴回数に基準はなく、もちろん無理して毎日入る必要はありません。ただ、老人福祉法の規定によって、特別養護老人ホームでは週2回以上の入浴をさせなければならないとされています。
最低限週2回入ればいいと気楽に考え、体調を優先することを忘れないようにしましょう。
2.転倒対策をする
浴室は滑りやすいため、転倒対策をしっかりおこないましょう。
年を重ねると、思うように体が動かなくなっているため転倒のリスクが高まります。とくに、急に浴槽内で立ち上がることは転倒の原因となるため、控えるべきです。
マットやバスチェアなどの補助具を使い、安全を確保してからゆったりと入浴を楽しみましょう。
3.ヒートショック対策をする
暖かい場所から寒い場所へ急に移動した時に起きるヒートショックに注意しましょう。
ヒートショックとは急激な気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管などに負担をかけることです。血圧が短時間で激しく上下すると、心筋梗塞や脳内出血などの症状を引き起こす原因となります。
とくに冬場のお風呂は、暖かいリビングから寒い脱衣所に移動し、さらに暖かい浴室へと入るため気温の変化が激しくなりやすいです。
脱衣所に暖房器具を置いたり、浴室にお湯を張ったりして、温度差を小さくする工夫をしましょう。
4.半身浴を基本とする
全身浴ではなく、心臓にやさしい半身浴を基本としましょう。お湯に深く浸かると水圧によって心臓に負担がかかりやすいためです。
お風呂の温度は38〜40度のぬるま湯にすれば、血圧は上昇しにくいとされています。
長湯すると疲れる原因になるため、お湯に浸かる時間は10分程度にとどめましょう。
高齢者が安全に入浴するするために役立つグッズ
ここからは、ご年配の方が安全に入浴するために役立つグッズをご紹介します。
以下のようなグッズを活用することで、身体の負担を少なくしながら、安全に入浴することが可能です。
- 滑り止めマット
- シャワーチェア
- 柄の長いブラシや取手付きタオル
- グリップ式手すり
上記グッズは、とくに身体が思うように動かないことで、入浴が面倒になっている人におすすめです。
順番に確認していきましょう。
1.滑り止めマット
浴室内は足元が滑りやすく危険なため、滑り止めマットを設置しましょう。
浴槽内や洗い場に滑り止めマットを引いておくことで、安心して浴室内を歩けます。
裏面に吸盤のついているタイプを選ぶ、マットの下に滑り止めシートを引くなどの工夫をし、転倒リスクを軽減しましょう。
2.シャワーチェア
シャワーチェアを使うと立ち座りが楽になります。
また、一般的なバスチェアに比べ安定性が増しているため、安心してシャワーを浴びたり身体を洗ったりすることが可能です。
より便利に使えるシャワーチェアの条件は以下のとおりです。
- 高さの調節ができる
- 座面の高さが40cm程度
- 肘掛け付き
また、浴槽内で使える椅子を選ぶと直接浴槽に座らずにすむため、半身浴がしやすくなります。
3.柄の長いブラシや取手付きタオル
柄の長いブラシや取手付きタオルを使うと、背中やつま先などが洗いやすくなります。
身体が硬くなって動きにくい人や、体に痛みを抱えている人におすすめです。洗いたい箇所によって特化したブラシが販売されており、洗髪できるものもあります。
必要にあわせてグッズ選びをしましょう。
4.グリップ式手すり
手すりを浴室の出入り口や浴槽付近に設置することで、転倒を防止できます。
手すりはリフォームで設置することが好ましいですが、難しければ浴槽のふちに取り付けられるグリップ式手すりがおすすめです。
転倒防止のほかに、手すりを頼りに体重をかけられるため身体的負担も軽減できます。
まとめ
入浴には、身体を清潔に保つだけでなく新陳代謝の促進や睡眠の質向上などのうれしい効果があります。
ただし、入浴は健康第一で楽しむことが大切です。健康状態と安全を確保するために、できるだけ転倒やヒートショックのリスクを軽減する工夫をおこないましょう。
また、体調がすぐれない場合は入浴を控えるようにしてください。
入りたくない日があっても「週に2回入れば十分」と考えて、ポジティブな気持ちで健康的な入浴を習慣づけましょう。