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「骨密度を上げて、骨粗鬆症にならないようにしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
骨密度を上げるための習慣は、誰でも簡単に実践することができます。
本記事では、骨密度を上げるために必要な食事や運動を紹介します。
この記事を参考に、骨を強くしてアクティブに過ごしましょう。
骨密度が低いとどうなる?
骨密度とは、骨の主成分であるカルシウムやミネラルがどのくらい詰まっているかという骨の強さを表す指標です。
健康な骨はしっかり中身が詰まっており骨密度は高いですが、骨は加齢とともにスカスカになります。スカスカの状態が続くと骨は脆くなり、骨密度が低下すると骨粗鬆症になる可能性が高いです。
骨粗鬆症になれば、骨折しやすい状態になってしまいます。日本整形外科学会によると、骨折が生じやすい部位は、背骨、手首の骨、太ももの付け根の骨です。骨折をすれば、その部分が痛くて動けなくなるだけでなく、背骨を痛めた場合は、丸くなったり、身長が縮んだりする可能性もあります。
骨粗鬆症になるリスクを下げるためには、普段の生活から骨密度を上げることを意識することが重要です。特別なことをする必要はなく、誰でも簡単に習慣にすることができるので安心してください。
骨密度を上げる3つの習慣
骨密度を上げるためには、カルシウムやビタミンの効果的な摂取や、適度な運動をすることが重要です。
ここでは、骨を強くするために日頃からできる3つの習慣を紹介します。
- カルシウムを意識した食事
- ビタミンDを生成する日光浴
- 骨に負荷をかける運動
各習慣では理由も含めて記載していますので、ぜひ試してみてください。
習慣1.カルシウムを意識した食事
骨の主成分であるカルシウムが不足すると、新しい骨が形成されず、古い骨が壊れるばかりで骨が脆くなります。
そのため、カルシウムを吸収できる食事を意識しましょう。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書によると、カルシウムの1日の推奨量は50歳以上の男性の場合約750mg、女性の場合は650mgです。
カルシウムが多く含まれている食材には、牛乳や小魚(煮干し)、海藻類や葉物野菜(小松菜やチンゲン菜)などがあります。
普段の食事に取り入れてカルシウムを摂取しましょう。
習慣2.ビタミンDを生成する日光浴
ビタミンDは、カルシウム吸収を促し、カルシウム濃度を一定に保つ栄養素になります。
カルシウム濃度が一定に保たれることで、骨格を健康に維持し骨密度を下げにくくするのです。
サンマやサケ、ウナギなどの食材から摂取できますが、日光を浴びることでもビタミンDを生成できます。
夏であれば木陰で30分程度、冬であれば30分から1時間程度日光を浴びましょう。
長時間、直射日光を浴び続けるのは熱中症の危険性がありますが、適度な日光浴は骨を強くするとされています。
習慣3.骨に負荷をかける運動
骨密度を上げるために、骨に適度な負荷をかける運動をすることも効果的です。
背筋を伸ばしたり、足裏全体で歩くベタ足を意識するなどの「縦方向の刺激」は、重力に逆らった動きのため骨への適度な負荷につながります。
負荷が大きくなり、刺激を受けることで骨を作る細胞が活発になり骨自体が強くなるのです。
骨密度を上げるためには、ウォーキングなどが有効です。
散歩を習慣にしたり、エレベーターを使わず階段の上り下りを取り入れたりと、運動量を上げるように意識しましょう。
また、自宅で簡単にできる運動やストレッチを取り入れるのもよいとされています。
骨密度を上げる運動とストレッチ
続いて、1日15分~30分でできる骨密度が上がる適度な運動をご紹介します。
椅子や机を使う運動については、平らで滑らない場所でおこなうようにしてください。
具体的な運動は以下のとおりです。
- 片脚立ち
- かかと落とし
- 壁押し
- しこ踏み
- アキレス腱のストレッチ
- 背筋を伸ばすストレッチ
腰や膝に痛みがある人は、事前にかかりつけの医師に相談したうえで取り組むようにしましょう。
その1.片脚立ち
フラミンゴのように片脚で立つ運動です。
- 背筋を伸ばし前を見る
- 右脚を少し上げ1分間保ったら下ろす
- 左脚も同様におこなう
この運動を1日3回を目安におこなってください。椅子や机に掴まりながらおこなっても構いません。
片脚で立つことで普段の倍の負荷がかかり、骨が刺激されます。また、バランス感覚が鍛えられるため転倒防止にも役立つでしょう。
その2.かかと落とし
かかと落としは、全身の骨に振動が伝わり、骨の細胞を活性化する効果があるとされています。
- 脚を肩幅に開く
- 脚と背筋を伸ばして前を見る
- つま先立ちをし、かかとをストーンと下ろす
この運動を10回1セットとし、1日3セットを目安におこないましょう。
ただし、膝や関節などに痛みがある人は、かかとを下ろす勢いを弱くしておこなうなどの注意が必要です。
その3.壁押し
壁押しは、「手で体を支える」動作を壁でおこなう運動です。
- 壁に向かって脚を肩幅に開く
- 脚と背筋を伸ばして前を見る
- かかとを上げながら、手のひらで壁を勢いよく押す
(ひじを真っ直ぐ伸ばす必要はありません)
手首やひじに痛みがある人は、押す勢いを弱くしてください。10回1セットとし1日3セットを目安におこないましょう。
その4.しこ踏み
しこ踏みは、横方向のバランス力を鍛える運動です。
- 脚を肩幅に開き、腰を少し落とす
- バランスが保てる高さまで右脚を上げ地面に勢いよく下ろす
- 左脚も同様におこなう(相撲のしこ踏みと同じ)
この運動を10回1セットとし、1日3セットおこなってください。
脚を上げる際に左右(横方向)のバランスを鍛え、脚を勢いよく下ろすことで骨への刺激になります。
その5.アキレス腱のストレッチ
アキレス腱を伸ばすストレッチは、骨密度を上げる運動とセットでおこなうとよいストレッチです。
- 壁に手をつき、左右どちらかの脚を前にする
- 前に出したほうの脚の膝に体重をかけ、後ろの脚のふくらはぎを伸ばす
- 後ろの脚の膝を曲げ、アキレス腱を伸ばす
(いずれもかかとはつけたまま)
これを片脚30秒ずつ左右交互におこなってください。ストレッチをおこなうことで筋肉がほぐれ、筋肉痛の緩和や筋肉疲労が軽減されます。
その6.背筋を伸ばすストレッチ
背筋を伸ばすストレッチには、立っておこなう方法と椅子に座っておこなう2つの方法があります。
まずは、立っておこなう方法です。
- 壁から20~30cmほど離れて立つ
- 壁に沿って両手を上に伸ばす
つづいて、椅子に座っておこなう方法です。
- 椅子に座り頭の後ろで手を組む(つなぐ)
- 両ひじを後ろのほうに引き、胸を前に出す
骨密度を上げる運動とあわせてストレッチをすることで、運動による疲労を抑えられます。いずれも簡単におこなえるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
本記事では、骨密度を上げる3つの習慣と運動、ストレッチについて紹介しました。
骨密度が上がれば骨粗鬆症を予防できるだけでなく、転倒防止や骨折予防にもつながります。
普段の生活からカルシウムとビタミンDを吸収できる食事や日光浴の時間を取ることなどを意識しましょう。また、1日15分~30分程度の運動とストレッチをあわせておこなうのも有効なため、今回紹介した内容を実践してみてください。
骨密度を上げて、いくつになってもアクティブなシニアライフを送りましょう。