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年齢を重ねると、腰を痛めて生活に支障が出るリスクが高まるとされています。とくにいきなり発生するぎっくり腰に悩まされる人は少なくありません。
ぎっくり腰を予防するためには、自分で簡単に実践できるストレッチや筋トレをおこなうのがおすすめです。
この記事ではご年配の方におすすめのぎっくり腰の予防をするためのストレッチや筋トレを紹介します。いつまでも腰を労わって元気なシニアライフを送るためにぜひ参考にしてください。
ぎっくり腰になる原因
ぎっくり腰とは体幹を急に動かしたときに、関節や筋肉などが損傷し、激しい痛みを引き起こすものです。腰を動かす動作が困難になるため、歩くこともままならなくなるケースも少なくありません。
ぎっくり腰の直接的な原因は、筋力の衰えや、身体の柔軟性の低下にあると考えられています。
筋力の衰えや柔軟性の低下を進行させる原因としては以下が考えられます。
- 加齢:歳をとるにつれて、多かれ少なかれ筋力や体の柔軟性の低下が進みます。
- 運動不足:身体機能の低下を加速させ、血流を悪くする原因にもなります。
- 睡眠不足やストレス:筋肉を凝り固まらせる原因となり、ぎっくり腰を引き起こしやすくします。
- 高血圧・便秘:筋肉や関節などの組織が水分不足に陥りやすくなるため、体の柔軟性を低下させます。
- 冷え性、寒がり:寒さは筋肉の柔軟性を低下させる原因になります。
- 貧血:血の巡りが悪く、筋組織に必要な栄養が行き渡りにくくなります。
上記の対策としては、日常生活にストレッチや筋トレを取り入れるなどが挙げられます。
腰回りを中心とした筋力や柔軟性を維持しておけば、加齢が進行してもぎっくり腰の予防につながり、ぎっくり腰になった場合も、症状の悪化を抑制できるでしょう。
ぎっくり腰を予防するストレッチ
ここで紹介するストレッチは以下の3つです。
- 股関節ストレッチ
- キャット・カウストレッチ
- ドローイン・ストレッチ
上記のストレッチは、ストレッチポールなどの専用器具は必要ありません。
椅子に座ったり、横になったりして簡単に実戦できるものばかりなので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
股関節ストレッチ
股関節のストレッチは、椅子に座ってできるので、加齢により長時間立つのが辛い人にもおすすめです。
- 脚を開いて椅子に座る
- つま先を少し外側に向ける
- 手を内ももに添えて、右の肩を前に突き出すようにして体をひねる
- 同時に、右手で右の内ももを外に向けて押す
ひねるときには肩を突き出している方と反対の肘あたりをみるようにします。呼吸3回分くらい捻った状態を保ったのち、姿勢を戻してください。
続いて左も同じようにおこないます。1日あたり3〜5セット程度おこなうのがよいでしょう。
キャット・カウストレッチ
こちらは股関節ストレッチ同様に、椅子に座っておこなうストレッチで、腰の下部の関節や筋肉を伸ばすのに有効です。
- 椅子に浅めに座って足を肩幅程度に開く
- 両手を組み、体の前に輪をつくる
- 息を吐きながら背中をまるめる(このとき目線はお腹の方に)
- 息を吸いながら両手を後ろに持っていき、胸を反らす
背骨の動きを意識しながら体をまるめたり、反ったりすることでより効果を感じられます。1日あたり5セットを目安におこないましょう。
ドローイン・ストレッチ
続いて寝ながらおこなうストレッチであるドローイン・ストレッチを紹介します。
こちらは腰回りを中心とした体幹の強化に有効です。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 「足裏」「骨盤の裏側(腰の後側)」「胸の裏側の背中」「後頭部」を床につける
- あごを引いて背筋を伸ばす
- 体を動かさないように、鼻から息を吸って、口から吐く
- 息を吐く時におへそを引っ込めて、胸のほうに持ち上げるイメージでお腹をくびれさせる
- 息を吸うときにはお腹を戻す(ただしお腹を出しすぎないように注意)
なお、立ったまま、座ったままで呼吸と共にお腹を動かす運動をおこなっても効果は期待できます。こちらは1日10セット程度を目安におこないましょう。
ぎっくり腰を予防する筋トレ
軽い筋トレで筋力をアップさせるのもぎっくり腰の予防には、有効です。
ストレッチとあわせて日課にすれば、身体の柔軟性と筋力を共に維持できるため、ぎっくり腰のリスクを大きく減らすことができます。
ぎっくり腰に効く簡単な筋トレは以下のとおりです。
- 腹直筋トレーニング
- 脊柱起立筋トレーニング
- エルボーニー
- ハンドニー
なお、いずれも少なからず腰に負担をかけるものなので、すでに腰を痛めている、ぎっくり腰になりかけているという人は、無理におこなわないよう注意してください。
腹直筋トレーニング
腹直筋とはお腹の前面に肋骨から恥骨にかけてついている、「腹筋」として連想される筋肉です。
ここを鍛えれば背骨の正しいS字カーブを維持しやすくなり、腰痛の予防につながります。
- 仰向けに寝て、両膝を立てて、両手を膝頭にあてる
- 息を吐き、ゆっくりと上体を起こす
- 上体を引き上げたら、その状態を1〜2秒程度保つ
- 息を吸いながらゆっくりと戻る
5〜10回繰り返すのが理想ですが、腹筋が衰えていると辛い場合もあります。無理のない回数を設定し、徐々に回数を増やしていきましょう。
脊柱起立筋トレーニング
脊柱起立筋は頭蓋骨から背骨に沿って腰にかけてついている筋肉で、ここを鍛えるとぎっくり腰をはじめとした腰痛の予防に役立ちます。
- うつ伏せになり、両ひじを立てる
- 息を吐きながらゆっくりとひじを伸ばして上体を起こす
- 上体を起こした状態を5秒間キープ
- 息を吸いながらゆっくりと戻る
トレーニング中には骨盤周りに圧力がかかるため、腰あたりにクッションや座布団などを敷くのがおすすめです。
1セットあたり5回程度繰り返すとよいでしょう。
エルボーニー
エルボーニーは体幹を鍛える筋トレです。体幹は体の芯であり、鍛えることでぎっくり腰の予防ができます。
- 四つん這いになったときに手が来る位置に両肘をつく
- 両膝、つま先は床につけた状態を保つ
- 足を後ろに伸ばし浮かせ、片足を上げた状態でキープ
- これを左右両方の足でおこなう
1回あたり30秒キープするのが目標ですが、まずは無理のない秒数を設定するとよいでしょう。
両方の足を交互に2〜3セットおこなうのが理想です。
ハンドニー
ハンドニーは、腕と足を同時にあげる動作をおこないます。体幹のインナーマッスルを鍛えることでぎっくり腰の予防になるだけでなく、お尻や二の腕を引き締めることも可能です。
運動をやり慣れていないと大変なので、辛い方はまず足を上げることから始めましょう。
- 四つん這いになる(手は肩の真下、両足は腰幅に開く)
- 右足と左腕を浮かせてキープする(理想は床と並行になるように)
- 左足と右腕でも行う
こちらもキープ時間は30秒が目標ですが、最初は無理のない範囲でキープしてください。1日2〜3セット程度おこなうとよいでしょう。
まとめ
充実したシニアライフを送るうえで、ぎっくり腰は大きな障害になりえます。
即効性のあるぎっくり腰対策はないので、いまは腰に問題を抱えていない人も、日頃から予防のためのストレッチや筋トレを実践して、健康維持に努めましょう。
運動をしていれば、健康寿命も延びる可能性がありますので、自分の腰を労わって充実したシニアライフを送ってください。