デジタル終活を始めよう|進め方からデータを隠す方法まで徹底解説

「デジタル終活って何?」

「デジタル終活はいつから始めたら良い?」

デジタル終活とは「自分のスマホなどに保持しているデータを死後に備えて整理すること」です。

この記事では、デジタル終活についていちから分かりやすく解説します。

デジタル終活を学んで、今日からパソコンやスマホのデータを整理しましょう。

今すぐ始めよう!デジタル終活とは

デジタル終活とは、自分が死んだ後のパソコンやスマホの中にあるデータの取り扱いについて考え、家族が対応できるよう対策することです。

総務省の調査によると、2017年で60代は約74%、70代は約47%、80代以上は約20%の人がネットを利用しています。

さらに、スマホは60代で約55%、70代で37%も保有しているのです。

このようにシニア層の多くがデジタルデータを利用・保持していることから、葬儀の手配といった普通の終活と同様に、デジタル終活を行いましょう。

まずは、デジタル終活について次の2つのことを解説します。

  1. 情報端末の寿命はそれほど長くない
  2. デジタル終活で大事なデジタル資産

2つを理解してから、デジタル終活の具体的な進め方を学びましょう。

(1)情報端末の寿命はそれほど長くない

パソコンやスマホなど情報端末の寿命は、それほど長くありません。

部品交換やソフトウェアの設定をしないと、パソコンは5年程度、スマホは2~5年程度で充電の減りが早くなるといった不具合が出てきます。

あなたの死後、デジタル遺品を家族が調べようとする場合、あなたの使っていたパソコンやスマホといった情報端末からアクセスするでしょう。

そのとき古い情報端末だと、故障したり、OSがサポートされなくなったりする可能性があるのです。

そのため、家族に遺したいデータは定期的に新しい情報端末に移し替えるようにしましょう。

(2)デジタル終活で大事なデジタル資産

デジタル終活で扱うデータのことを、デジタル遺品と言います。

本記事では全てデジタル遺品という言葉を使っていくものの、金銭的なデジタル遺品のことをデジタル資産と呼ぶことがあるのです。

次のようなものが、デジタル資産に当てはまります。

  • ネット銀行
  • ネット証券
  • FX
  • 暗号資産(ビットコインなどの仮想通貨)
  • プリペイド式電子マネー(Suica・nanaco・WAONなど)
  • チャージ式のスマホ決済(PayPay・LINE Pay・au PAYなど)
  • マイルやポイント(ANAやJALのマイル・ドラッグストアなどのポイント)

デジタル資産は相続で重要となります。

なぜなら、デジタル資産を家族に伝えずに亡くなると、時間がかかった相続をやり直すといった家族間トラブルにつながるからです。

そのため、デジタル資産はデジタル終活でしっかり対応しましょう。

理解すべき2種類のデジタル遺品の特徴

デジタル終活で整理する対象のデジタル遺品は、オフラインデータとオンラインデータの2つがあります。

それぞれどのようなものが当てはまるかは、次の通りです。

データの種類 オフラインデータ オンラインデータ
保存場所 情報端末(パソコンやスマホなど) ネット上
  • 画像
  • 動画
  • 文章
  • 音楽
  • ブログ
  • SNS
  • ネットショッピング
  • ネット銀行・証券
  • 有料の書籍・ゲーム・動画配信などのサービス
アクセスに必要な物 端末やファイルのパスワード 各サイトのIDとパスワード

さらに詳しく、2つのデータの特徴を確認しましょう。

  1. オフラインデータの特徴
  2. オンラインデータの特徴

それぞれ順番に説明します。

1.オフラインデータの特徴

オフラインデータとは、パソコンやスマホに直接保存しているデータのことです。

たとえば、パソコンなどに保存している画像・動画・文章・音楽などが、オフラインデータに当たります。

つまり、ネットに接続しなくてもアクセスできるデータがオフラインデータです。

オフラインデータには、次のような特徴があります。

  • パソコンやスマホなど保存している情報端末が壊れたら消滅する
  • 情報端末内のソフトウェアが壊れても消滅する

このように、オフラインデータは保存している端末の状態によって、アクセスできるかどうかが変わります。

オフラインデータを遺したい場合は、定期的な情報端末の整備が必要です。

2.オンラインデータの特徴

一方、オンラインデータとは、ネット上に保存しているデータのことです。

たとえば、次のようなデータがオンラインデータとなります。

ブログ・ホームページ アメーバブログ・ライブドアブログ・FC2ブログ・ジュゲムなど
SNS LINE・フェイスブック・ツイッター・インスタグラムなど
ネットショッピング 楽天・ヤフーショッピング・アマゾンなど
有料アプリサービス・サブスクリプションサービス
  • 新聞アプリ(日経電子版・産経プラスなど)
  • 書籍アプリ(eBookJapan・まんが王国など)
  • ゲームアプリ(ポケモンGO・パズドラなど)
  • 動画配信アプリ(アマゾンプライム・Netflixなど)
  • 音楽配信アプリ(プライムミュージック・Spotifyなど)
金融サービス
  • ネット銀行(楽天銀行・イオン銀行など)
  • ネット証券(SBI証券・楽天証券など)
  • FX口座(DMM FX・外為どっとコムなど)
  • 暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)
総合アカウント Googleアカウント・ヤフーアカウント・Apple IDなど
オンラインストレージ OneDrive・Google ドライブ・ドロップボックスなど
メールアドレス Gmail・ヤフーメール・Outlookなど

このように、今や様々なサービスがネット上で完結するため、挙げていくときりがありません。

オンライン上のサービスは、契約者が亡くなっても稼働し続けるため注意が必要です。

少しずつ進めよう!デジタル終活の4ステップ

デジタル終活をしなかったときのトラブルを回避するためには、デジタル終活を少しずつ進めていきましょう。

なぜなら、デジタル遺品は幅が広く、一気に行うと時間がかかるからです。

デジタル終活を始めるには、次の4つの物を用意します。

  1. 自分のパソコンとスマホ
  2. 作業用のノート(以下、作業ノート)
  3. 家族に遺すデジタル終活ノート(以下、デジタル終活ノート)
  4. ペン

各ノートはエクセルなどでも良いですが、その日の作業を終えたら印刷しておきましょう。

紙にしておくことで、作業途中であなたに何かあっても、印刷物を見た家族がデジタル遺品について対応しやすくなるのです。

必要な物を用意できれば、次の4ステップを踏んでデジタル終活を始めます。

  1. デジタル遺品の洗い出し
  2. デジタル遺品の仕分け
  3. デジタル遺品への対応
  4. デジタル終活ノートの作成

詳しく見ていきましょう。

STEP1.デジタル遺品の洗い出し

まずは、自分の持つデジタル遺品を全て洗い出します。

このとき、作業ノートに次のような表を作って書き込んでいきましょう

オフラインデータ

モノ 詳細 フォルダ名・ファイル名 伝える?(誰に)
家族の写真 家族旅行の写真等 ピクチャ 〇(家族)
趣味の詩 趣味で書いている詩 ドキュメント>poem ×

オンラインデータ

サービス 詳細 すぐ解約が必要? 伝える?(誰に)
楽天銀行 ピアノ支店
普通口座:00000000
名義:ヤマダタロウ
ID:xxx-xxx
オンラインパスワード:xxxxxx
〇(家族)
フェイスブック ID:xxx-xxx
パスワード:xxxx123
× 〇(友人A)

このように、オフラインデータとオンラインデータに分けて、思い出した順番で良いので、どんどん書いていきましょう。

ただし、漏れると困る金銭が関係するデジタル遺品を優先して書いてください。

また、IDとパスワードが必要なものも書いておく方が、続くステップをスムーズに進められます。

STEP2.デジタル遺品の仕分け

デジタル遺品を洗い出せたら、作業ノートを整理します。

伝えたいものと伝えたくないもの、伝えるなら誰に伝えるかを、作業ノートにまとめていくのです。

このとき、次のステップのために伝える方法・処分方法という欄を作っておきましょう。

伝えたいデジタル遺品

モノ・サービス 誰に 伝える方法
家族の写真 家族 ステップ3で書き込む
楽天銀行 家族 ステップ3で書き込む
フェイスブック 友人A ステップ3で書き込む

伝えたくないデジタル遺品

モノ・サービス 処分方法
趣味の詩 ステップ3で書き込む

このように整理することで、デジタル終活ノートに清書するときに書き写しやすいです。

STEP3.デジタル遺品への対応

ステップ2で仕分けした表の、伝える方法・処分方法にどのように対応するか書いていきましょう。

伝える方法には、次のような方法があります。

  • 事前に伝えておく
  • デジタル終活ノートにだけ記載しておく

一方、処分方法は次のような方法があります。

  • 削除する
  • 隠す
  • 誰かに削除してもらう

処分方法については、この後の「見られたくないデジタル遺品への対策」で詳しく解説します。

デジタル遺品への対応をそれぞれどうするか決められれば、最後の段階に進みましょう。

STEP4.デジタル終活ノートの作成

デジタル遺品の整理ができれば、家族に遺すデジタル終活ノートを作成します。

最初のページには、パソコンとスマホなど端末にアクセスするためのアカウントやパスワードを記載しておきましょう。

情報端末 アカウント パスワード
パソコン タロウ 123xxxx
スマートフォン なし 1234

そして次のページから、作業ノートを見ながらデジタル遺品を書いていきます。

書くときは、金銭的なことと絶対に対応してもらいたいことから記載しましょう。

次の表を参考に、伝えやすい形で作成してください。

オフラインデータ

モノ 詳細 保存方法 対応方法
家族の写真 家族旅行の写真等 ピクチャ 良い写真を印刷して飾ってほしい。
遺影写真 遺影に使ってほしい写真 ピクチャ>iei いくつかあるので、良いと思った写真を遺影として使ってほしい。

オンラインデータ

サービス 詳細 アクセス方法 対応方法
楽天銀行 ピアノ支店
普通口座:00000000
名義:ヤマダタロウ
ID:xxx-xxx
オンラインパスワード:xxxxxx
預金額:30万円
スマホの楽天銀行アプリからアクセスできる。 葬儀代の足しにしてほしい。
Googleアカウント ID:xxx-xxx
パスワード:xxxxx123
パソコンやスマホからグーグルを使うと自動的にログインされている。 アカウント削除してほしい。

ここではデジタル資産を分けていませんが、丁寧に作るならデジタル資産用の表を作った方が分かりやすいでしょう。

また、家族以外に対応してもらいたいことはデジタル終活ノートに書かず、上記と同じようなことを書いて、対応してもらいたい人に渡しておきます。

以上で、デジタル終活の作業は終了です。

ただし、生きている限りデジタル遺品は増減するため、定期的にデジタル終活ノートを整理しましょう。

見られたくないデジタル遺品への対策|オフラインデータの場合

デジタル終活の進め方が分かったところで、「家族に絶対に見られたくないデータはどうすれば良いの?」と考える人もいるはずです。

人に見られたくないデジタル遺品への対策を、オフラインデータとオンラインデータのそれぞれで見ていきましょう。

まずは、見られたくないオフラインデータの対策を確認します。

オフラインデータの場合、対策は次の2つです。

  1. 消す
  2. 隠す

どのような対策か順番に説明します。

1.消す

オフラインデータの場合、見られたくないものは削除するのが一番良いです。

自分で削除できなかった場合に備えて、誰かに削除してもらうよう依頼をしておくと、より確実にデータを見られません。

誰かに頼めないなら、設定しておくと死後に削除してくれるアプリを活用しましょう。

2.隠す

見られたくないデータは、アクセスしにくいフォルダに隠すと死後も見つかりにくいです。

オフラインデータは、パソコンでもスマホでも次のように隠します。

  • よく使うフォルダに入れない
  • クイックアクセスにピン留めしない
  • 深い階層のフォルダに保存する
  • フォルダ・ファイル・アプリを非表示にする

スマホでも機種によっては、ファイルやアプリを非表示にできる機能があります。

ただし、隠したと言っても情報端末内に存在するため、見つかる可能性は捨てきれません。

家族を信じて「このフォルダは見ないで」とデジタル終活ノートに書いておくのも手です。

見られたくないデジタル遺品への対策|オンラインデータの場合

続いて、見られたくないオンラインデータの対策を見ていきましょう。

オンラインデータは、ネット上にデータがあるため隠すのが難しいです。

そのため、普段から次の2つを行うことで、他人があなたの閲覧履歴を追跡しにくいようにしましょう。

  1. アクセス方法に気を付ける
  2. 閲覧履歴を削除する

見られたくないオンラインデータの対策についても、1つずつ確認しましょう。

1.アクセス方法に気を付ける

普段、検索ブラウザやサイトを開くとき、何もせず開くと履歴が残ります。

そのため、シークレットモードやプライバシーモードといった履歴の残らない方法でアクセスすることを習慣づけましょう。

以下のショートカットを使えば、デスクトップ画面からシークレットモード等を簡単に開くことができます。

ブラウザ モード名 ショートカットキー
Google Chrome シークレットモード Ctrl + Shift + N
Internet Explorer InPrivateブラウズ Ctrl + Shift + P
Microsoft Edge InPrivateブラウズ Ctrl + Shift + P
Mozilla Firefox プライベートブラウジング Ctrl + Shift + P

ブックマークしているものに関しても、単にクリックして開くのではなく、一度メニューを開いてから「シークレットモードで開く」を選択して開くようにします。

このようにひと手間加えることで、アクセスしているサイトを調べられないようにできるのです。

2.閲覧履歴を削除する

さらに、こまめに閲覧履歴を削除しておくと、死後に他人が調べようとしても、どのサイトにアクセスしたか分からなくなります。

しかし、「それならシークレットモードを使えば、閲覧履歴に登録されないんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。気を付けてシークレットモードを使っていても、間違って普通のモードでページを開いている可能性があります。

そのため、ネットを使ったらこまめに閲覧履歴を消すという習慣づけができれば安心です。

デジタル終活を楽にするために!日ごろからすべき3つのアクション

デジタル遺品を見られたくないときの対策は、削除したり、アクセス方法を工夫したりすることでした。

このような対策を習慣的に行えるようになると、デジタル終活の作業が軽減されます。

さらに、次の3つの行動を日ごろから行うとデジタル終活をもっと楽にできるのです。

  1. IDとパスワードは外部にメモしておく
  2. ネット銀行やネット証券の残高を正確に把握しておく
  3. 家族のITスキルを知っておく

それぞれ詳しく確認しましょう。

その1.IDとパスワードは外部にメモしておく

ネットショッピングなどのサイトに新規登録をしたら、IDとパスワードは外部にメモしておきましょう。

なぜなら、IDとパスワードの洗い出しは時間がかかる作業のため、一目で分かるようにしておけば、短時間でIDとパスワードを記入していけるからです。

メモは、紙に書くことが一番簡単で、万が一のときも家族が見つけやすいため、デジタル終活に向いています。

しかし、セキュリティが気になるならオフラインデータとしてメモを残しましょう。

その2.ネット銀行やネット証券の残高を正確に把握しておく

ネット銀行の残高、ネット証券の保有株や仮想通貨などの種類と残高は、常に正確に把握しておきましょう。

なぜなら、残高の把握や変更を怠ると、相続問題が発生して家族が困る可能性があるからです。変動する証券の残高は、毎日が難しいなら1週間や1ヶ月に1度確認して、デジタル終活ノートに記載した数字を変更してください。

こまめに変更しておくことで、相続をスムーズに行えて家族に迷惑をかけません。

その3.家族のITスキルを知っておく

デジタル終活を進める上で、家族のITスキルがどれくらいか知っておくことも大切です。

家族のITに関するレベルを知っておくことで、デジタル終活ノートにどれくらい詳しく対応方法を書けばよいか、誰に何を頼めば良いかを判断できます。

たとえば、次のようなことで良いので把握しておきましょう。

  • 妻はネットサーフィンするくらいで、閲覧履歴が残ることを知らない
  • 息子はシステム会社で働いていて、ネット上のことにも詳しい
  • 孫はホームページを作って持っているから、サイトの仕組みについて知っている

以上の3つを日ごろから確認できていれば、デジタル終活を進めやすいです。

さらに、デジタル終活をサポートしてくれる会社やアプリを知れば、デジタル終活の手間を省けます。

デジタル終活をサポートしてくれる会社・アプリ

ここまで見てきて分かるように、デジタル終活は時間と労力がかかります。

そこで、デジタル終活を手助けしてくれる会社やアプリを紹介します。

  1. デジタル終活サポート会社
  2. デジタル終活で助けとなるアプリ・ツール

自分に合ったサポートを見つけて、デジタル終活を進めていきましょう。

(1)デジタル終活サポート会社

デジタル終活では、次のような会社のサービスを利用できます。

名称 詳細 費用
デジタルキーパー 伝えたいデータや端末情報を預け、死後に家族に伝えてくれる。
現在新規登録は休止中だが、新サービスが開始される予定。
2,000円/年
メティス 伝えたいデータや端末情報を預け、死後に家族に伝えてくれる。 300円/月

また、弁護士や司法書士事務所にデジタル遺品の扱いを任せることもできます。

デジタル遺品の扱いを含め、葬儀など死後の事務処理を専門家に任せることを、死後事務委任契約と言うのです。

弁護士などの専門家に任せると、安くても10万円以上が相場です。

デジタル遺品について死後委事務委任契約をしたい場合は、対応してくれる専門家に相談しましょう。

(2)デジタル終活で助けとなるアプリ・ツール

自分でデータの削除といった対応をしたいなら、次のようなツールを活用しましょう。

名称 詳細 費用
アカウント無効化管理ツール アカウント無効化を設定しておくことで、一定期間後にアカウントが末梢される。 無料
追悼アカウント フェイスブックインスタグラムの場合、設定や遺族が通知することで、利用者が亡くなったことを示す追悼アカウントに移行できる。 無料
死後の世界 条件を設定しておくことで、自動的にデータを削除してくれる。 無料
Remove Timer 条件を設定しておくことで、自動的にデータを削除してくれる。 無料
まも~れe Lite版 フォルダ設定することで、残したいデータを保管し、残したくないデータを削除してくれる。 無料

このようなツールは、オフラインデータに最適です。

それぞれ設定の方法が異なるため、使い方を読んでから使いやすそうなものを利用しましょう。

まとめ

デジタル終活は作業量も多く、1日で終えられない人が多いでしょう。

そのため、普段からIDとパスワードをまとめておいたり、フォルダを整理したりすると、デジタル終活を進めやすいです。

デジタル終活をせずに亡くなってしまうと、家族が非常に困ります。

自分と家族のために今からデジタル終活を進めるといいですね!

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