現役で働いているときは遠い存在に思えていた年金生活。

厚生労働省によると、2019年の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳という結果が発表されていて、平均寿命は過去最高を更新しています。

本記事では、年金生活をできる限り充実して過ごすために、年金の平均受給額や老後の生活費について解説していきます。

あなたの年金生活について一緒に考えていきましょう。

公的年金は2種類!基本的な年金の構造を知ろう

年金受給額など具体的な話に入る前に、年金の基礎となる構造について確認しておきましょう。

厚生労働省の情報を元に、日本の公的年金である国民年金と厚生年金について簡単に説明します。

  1. 国民年金:20歳~60歳までの人が加入する
  2. 厚生年金:会社員や公務員が加入する

国民年金は20歳になったらすべての国民に加入義務があるため、基本的にはみなさんが加入している年金です。

厚生年金は会社員や公務員が加入する年金のため、例えば自営業で働く人や専業主婦は加入できません。

そのため、年金の受給は2パターンに分かれます。

  1. 国民年金のみ受給できる人
  2. 国民年金+厚生年金を受給できる人

どのくらい?年金の平均受給額を見てみよう

厚生労働省が発表した『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』の調査をもとに、平均年金受給額(月額)を見てみましょう。

  1. 国民年金のみ:55,708円
  2. 厚生年金加入者:143,761円

この数字は平均受給額のため、実際の受給額は人によって増減します。

より詳細に見ていくために、年代ごとの平均年金受給額も見ていきましょう。

年齢 厚生年金(第1号) 国民年金
60~64歳 79,135円 41,790円
65~69歳 144,521円 56,832円
70~74歳 146,813円 56,429円
75~79歳 153,816円 55,972円
80~84歳 161,663円 56,336円
85~89歳 164,831円 54,708円
90歳〜 160,367円 47,803円

60~64歳の受給額がやや少ないのは、繰上げ受給をすることで減額されているためです。

また、それ以外の年齢についても徐々に受給額が減ってきているのが確認できます。

あなたの状況から年金受給額を試算!ねんきん定期便&ねんきんネット

あなたの年金受給額の目安は、日本年金機構が提供する2つの方法で確認できます。

  1. ねんきん定期便
  2. ねんきんネット

それぞれの方法を見ていきましょう。

(1)ねんきん定期便

日本年金機構では、毎年誕生月に年金記録を記載したねんきん定期便を郵送しています。

あなたの加入実績から試算した年金受給額をお知らせしてくれるものです。年に1回届くねんきん定期便を確認することで、現時点での年金受給額がわかります。

尚、実際の年金受給額については、今後の納付額やそのときの物価などが考慮されるため、あくまで目安として考えるようにしましょう。

(2)ねんきんネット

日本年金機構のHPで提供されているねんきんネットでは、以下の情報を確認できます。

  • 年金記録の確認
  • 将来の年金見込額の確認
  • 電子版「ねんきん定期便」の閲覧
  • 日本年金機構から郵送された各種通知書の確認

パソコンやスマホから、年金情報を簡単に調べられるので便利です。

ねんきんネットはサービスへの登録が必要なため、基礎年金番号を手元に用意してから利用してください。

年金の平均受給額と合わせて知りたい!老後の生活費はどのくらいかかるの?

老後の標準的な生活費については、厚生労働省の家計調査の情報を元に紹介しています。

その情報によると、65歳夫婦の標準的な生活費は1ヶ月約250,000円とのことです。

金額の詳細

  • 食費:約70,000円
  • 住居:約15,000円
  • 光熱費:約22,000円
  • 衣類:約7,000円
  • 保険・医療:約15,000円
  • 通信・交通費:約29,000円
  • 教育・教養娯楽:約25,000円
  • その他:約67,000円

老後は少しでもゆとりのある生活をしたいと考えている人は、1ヶ月250,000円以上は必要であると想定した方が良いでしょう。

年金受給額と照らし合わせると、年金だけでは心もとないと考えるかもしれません

より安心できる生活をするために、年金以外にも、

  • 健康なうちは少しでも働く
  • 収入があるうちに貯金する
  • 生命保険や医療保険に加入する
  • 退職金は取っておく
  • 個人年金保険に加入する

といった備えも考えておきましょう。

まとめ

年金の総額は個人差があります。

なので、年金の現状を把握し、余裕を持った老後生活への準備をしましょう。

今回お話した内容を参考に、あなたの思い描く楽しい老後生活を送ってくださいね。