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「昔は階段も楽に登れたのに、最近疲れが出やすい」

なんて感じたら、体力作りを始める合図です。

今回は、全く運動をしない人でも気軽に始められる体力作りについてご紹介します。

体力作りをしておけば、健康寿命が延びて長く家族や友人と楽しく過ごせるでしょう。

体力が衰えた?体力作りが必要かチェックしよう

もし、最近以下のようなことが思い当たるのであれば、体力が落ちてきている証拠です。

  • 階段や坂道を登るとすぐ疲れる
  • 移動は車ばかり
  • 孫と遊ぶとすぐに休憩したくなる
  • 意識して運動をしていない

これらのことに当てはまるのであれば、体力作りを始めましょう。

シニア世代が体力作りをする嬉しいメリット

シニア世代が体力作りをすると、嬉しいメリットがたくさんあります。

  1. 健康寿命が延びる
  2. ストレスが減る
  3. ぐっすり眠りやすくなる
  4. 孫と思いっきり遊べる

具体的にメリットを知れば、「体力作りをしなければ!」と思えるでしょう。

1.健康寿命が延びる

体力作りをすれば、健康寿命を延ばすことができます。

健康寿命とは、自立した生活が送れる年齢のことです。より詳しく厚生労働省の定義に則って定義を定めると、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間です。一般的に使う寿命は命を落とす年齢のことなので、「寿命=健康寿命」ではありません。

というのも、年を取ると介護が必要になって自分一人では生活を送れなくなるからです。

令和2年の厚生労働省のデータによると、男性の寿命は80.98歳ですが、健康寿命は72.14歳。また、女性の寿命は87.14歳であるにも関わらず、健康寿命は74.79歳です。

つまり、9~12年間も制限のある生活を送っていることになります。

【参考】「健康寿命 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」詳細はこちら

【参考】「平均寿命と健康寿命の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える」詳細はこちら

2.ストレスが減る

体力作りができれば、ストレス軽減に繋がります。

ウォーキングやスクワットなどの運動をしたときに、脳内で精神を安定させる効果があるとされているセロトニンが分泌され、ストレスを減らすことが確認されているのです。

「元気に過ごすためにもストレスを解消しよう」

という言葉を、耳にしたことがあるはずです。ストレスを抱えたままだと、体にも心にも負担がかかってしまう可能性があります。

3.ぐっすり眠りやすくなる

体力作りをすると、ほどよく体が疲れて深い眠りにつくことができます。

国内外の疫学研究によると、運動習慣のある人には不眠が少ないというデータも得られています。

加齢と共に眠れなくなる人は多いので、「寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」という人は体力作りをしてみましょう。

4.孫と思いっきり遊べる

体力作りをすれば疲れにくくなり、孫と思いっきり遊べるようになります。

外で追いかけっこをしたり山登りをしたりしても、孫と同じように楽しめるでしょう。夜中に熟睡できれば、日中は元気いっぱい体を動かせます。

疲れ知らずの体で、孫と思いっきり遊べるようになるでしょう。

まずは日常生活で取り組める体力作りからスタート

今日からすぐに始められる体力作りは、以下の通りです。

  1. エレベーター・エスカレーターを使わない
  2. 短距離であれば歩いて出かける
  3. 一駅だけ歩いて通勤する
  4. 電車で座らない
  5. 座りながらこっそりトレーニング

早速今日から始めてみましょう。

その1.エレベーター・エスカレーターを使わない

エレベーター・エスカレーターをできるだけ使わず、階段での昇り降りを意識しましょう。

わざわざ時間を作って階段の昇り降りをするにはめんどくさいと思う人でも、普段使う駅やビルで階段を使えば体力作りに役立ちます。

会社のビルやショッピングモールにも階段はあるので、日常的に取り入れましょう。

その2.短距離であれば歩いて出かけてみる

短距離であれば、歩いて出かけるようにしましょう。

つい車に乗ってしまうところを歩くようにすれば、ウォーキングの時間を確保できます。毎日出かけることはなくても、週に2〜3回スーパーやコンビニ、駅を利用することはあるはずです。

いつものちょっとしたお出かけを歩きに変えるだけで、体力作りにつながります。

その3.一駅だけ歩いて通勤してみる

もし、日常的に通勤で電車やバスを使っているなら、1つ手前で降りて歩きましょう。

15分〜20分程度のウォーキング時間が確保できます。

疲れていない朝に歩いたり、時間に余裕のある夕方に歩いたり、自分のタイミングでウォーキングできることが魅力です。

新しい発見を探しながら歩けば、楽しみながら体力作りができます。

その4.電車で座らない時間を増やしてみる

つい座りたくなる電車では、立って乗車しましょう。

電車は動いているので、立っているとバランスを取るために足の筋力を使うことになります。いつもの通勤時間やお出かけ時間が、そのまま体力作りの時間に変わります。

ずっと立っているのが辛いのであれば、最後の10分だけ立つなど工夫しましょう。

その5.座りながらこっそりトレーニングしてみる

座っていることが多いのであれば、デスクやテーブルの下でこっそりトレーニングをしましょう。

足を上げ下げしたり、膝にペットボトルを挟んだりするだけでも、少しずつ脚力がつきます。デスクワークや家事の合間に「ながらトレーニング」ができるでしょう。

体力作りのために新しく時間確保する必要がないため、取り入れやすいです。

シニアでも取り組みやすいトレーニングを紹介!

運動に慣れてきた人向けに、シニアの人でも取り組める体力作りのためのトレーニングをご紹介します。

運動初心者でもおすすめなトレーニングは、以下の6つです。

  1. ウォーキング
  2. ジョギング
  3. サイクリング
  4. ラジオ体操
  5. 階段昇降
  6. ヨガ

気になる運動から始めてみましょう。

(1)ウォーキング

ウォーキングは、気軽に始められる有酸素性運動です。

厚生労働省によると、有酸素性運動は脂肪をエネルギーとするため、体脂肪の減少による肥満解消や血圧・血糖値の改善の効果が期待されています。

まずは10分間歩くことを目標にし、万歩計を使って毎日記録してみましょう。

ウォーキングの習慣が付いてきたら、30分・1時間と時間を延ばして効果を高めてみてください。

(2)ジョギング

ジョギングは、自分で速さを調整しながら長時間続けられます。

ただし、ジョギングはウォーキングよりも負荷がかかる運動です。初心者は、クッション性の高いジョギング用のシューズを用意しましょう。

また、ウォーキングよりも強度が強く、エネルギー消費量も増えるので歩くだけに慣れてきた人にも最適です。

(3)サイクリング

サイクリングとは、自転車に乗って道中や自然を楽しむ運動です。

公益財団法人の健康長寿ネットによると、一定時間・一定距離を漕ぎ続けると有酸素性運動になることがわかっています。

膝や腰が痛い人や肥満の人でも、足や腰に負担が少ないのでウォーキングやランニングと比べて続けやすいです。ただし、道がぬかるんでいたり雨が降っていたりすると、転倒の危険があります。

また、坂道が多いところでも足や腰への負担となりやすいので注意してください。

(4)ラジオ体操

ラジオ体操は、多くの企業や福祉施設で取り入れられている運動です。

馴染み深いラジオ体操は、ケアハウスで行うと筋力低下が改善されて転倒や骨折の件数が減少したとの報告もあります。

ほかにも、ラジオ体操には以下のような効果が期待できる運動です。

  • 体内年齢が実年齢よりも約20歳若くなる
  • 呼吸機能・内臓機能が若く保たれる
  • 骨粗しょう症の予防に有効
  • 身体機能が国民標準値より高い
  • ストレス解消に役立つ

※参考:ラジオ体操DE健康タウン

全国的に調査した結果、あきらかに健康状態を示す数値が良いことも判明しました。

ラジオ体操は体力づくりに取り入れやすいので、毎朝の習慣にしてみてください。

(5)階段昇降

階段昇降とは、階段の昇り降りをすることです。

カナダのマックマスター大学運動性地学部のマーチン・ギバラ教授は、「わずか20秒の階段昇降でも、やらないよりやった方が良い」としています。

つまり、短い階段の上り下りであっても日々の運動には最適ということ。体力作りを目的とするのであれば、1日10分の階段昇降を目指しましょう。

(6)ヨガ

ヨガは、古代インドより伝わる修行法です。

早稲田大学教授の澤田亨によると、心身の健康法として日本でも広がっており、身体のゆがみを取ったり筋力を高めたりする効果が紹介されています。

また、自分の体に合わせたヨガポーズができるので、続けやすいです。

ちなみに「シニアヨガ」は、今では世界中で普及が始まっています。

以下の表は、北米のシニア世代でヨガクラスに通っている年代と割合を表したものです。

年代 割合
70代後半~80代 18.3%
70代前半~後半 29.4%

参考:Medical Yoga

今までヨガをしたことのない人でも、ビデオやYouTubeを見ながら老後の新しい趣味として始めてみましょう。

ずぼらな人向け!1人でも体力作りを継続する方法

自分で体力作りを継続することが難しいのであれば、以下の6つの方法を実践してみましょう。

  1. ジムに通う
  2. 介護予防教室に通う
  3. 一緒に体力作りをする友だちを作る
  4. 無理な計画や目標を立てない
  5. 素敵なウェアを購入する
  6. 定期的に体力チェックをする

体力作りを継続させるコツを知っておけば、気軽に運動を続けることができます。

1.ジムに通う

ジムに通えば、さまざまなトレーニングを教えてもらえるので飽きずに続けられます。

ジムなら自分の体力に合わせてさまざまな運動方法を教えてもらえます。嬉しいことにシニア向けのクラスを開催しているジムも少なくありません。

たとえば、ビッグ・エスの『60歳からの楽楽フィットネス快活・楽楽倶楽部』には以下のような運動を教えてくれます。

  • ボールエクササイズ
  • ゴム体操
  • 青竹ふみ体操

一人ではなかなか運動しづらい人も、ジムに通って指導者のもとで体力作りをしましょう。

2.介護予防教室に通う

介護予防教室に通えば、体力作りにモチベーションが上がりやすいです。

たとえば、東京都文京区では以下のような教室が開催されています。

  • 文の京介護予防体操
  • 健康スキルアップクラス
  • 軽体操教室
  • 転倒骨折予防教室

クラスによって異なりますが、60歳または65歳以上なら無料で参加できます。

一度、地域の介護予防教室について市町村役場に問い合わせてみることをおすすめします。

3.一緒に体力作りをする友だちを作る

一緒に体力作りをする友だちを作れば、楽しく体力作りができます。

というのも、毎日のウォーキングやサイクリングを一緒に行えるからです。一緒に頑張れる人がいれば、さぼりにくくなるので継続しやすくなります。

また、「毎日夕方5時に待ち合わせ」と決めてしまえば、「約束したんだから行かなくちゃ」と自分を奮い立たすことも可能です。

4.無理な計画や目標を立てない

無理な計画や目標を立てないようにしましょう。

今まで運動をしてこなかった人が、いきなり毎日1時間ウォーキングをするのは難しいですよね。体力に限らず、気持ちも前向きになりにくいはずです。

なので、日常で取り入れられる体力作りから始め、運動が日課となるようにすることが大切です。

「毎日10分だけランニングをする」

「駅や会社ではエレベーターを使わない」

など、小さなことから始めましょう。

5.素敵なウェアを購入する

運動にやる気が起きないのであれば、素敵なウェアやシューズを購入するのもありです。

「このウェアやシューズを身につけたい!」

という動機は、一見不純に思えるかもしれません。しかし、運動やダイエットは形から入るという人も多いです。

まずは、着たいと思える素敵なウェアやシューズを買いに行くのはいかがでしょうか。

6.定期的に体力チェックをする

定期的に体力チェックをすれば、モチベーション維持につながります。

というのも、体力の向上を実感できれば、「もっと頑張ろう!」と思えるからです。山に登ったり階段の多い神社に行ったり、定期的に同じ運動をすることをおすすめします。

その日の疲れ具合をチェックすることで、自分の体力の変化を実感できるでしょう。

【参考】体力作りに関するみんなの疑問を回答!

最後に、体力作りを始める際によくある疑問にお答えしていきます。

Q1.足・腰・膝が痛むときも運動した方がいい?

A.痛みがあるときは運動は控えましょう

というのも、痛みを庇って運動をすると、他の箇所に負担がかかるからです。運動は調子の良いときだけにし、膝への負担も考えて、自分にあった運動量を考えることをおすすめします。

Q2.運動をする時間が取れません

A.まずは、週に1回からでも日常的に取り入れられる運動から始めましょう。

  • 電車では座らずに立つ
  • デスクワーク中に足をトレーニングする
  • 会社やショッピングモール、駅では階段を使う

1日5分・10分と短い時間であっても続けることが大切です。

Q3.筋肉痛があるけどやってもいい?

A.筋肉痛があるときの運動はおすすめできません

というのも、ある食品メーカーによると、トレーニング効果を最大限にするために筋肉痛の箇所のトレーニングは行わない方が有効とのことです。

そもそも、筋肉痛は損傷した筋線維が修復する際の炎症によるものです。筋肉が元の状態に戻っていないときに、さらに運動をすると痛みが長引いてしまうかもしれません。

痛みがあるときは十分に休養し、ストレッチや痛みのない部分を使う運動をしましょう。

まとめ

「階段や坂道がしんどい」

「孫と遊ぶとすぐに疲れる」

と感じる人は、今からでも体力作りを始めることをおすすめします。

自分の体力に合わせて、1日10分でも歩いたり階段昇降をしたりすることから継続して運動すれば健康寿命を延ばせるはず。

早速体力作りを始め、疲れやすい体とお別れしましょう。