「そもそも健康寿命ってなに?」

「健康寿命を延ばすには何をしたら良いの?」

誰しも、単に長生きするのではなく健康な体で老後を過ごしたいと思うものです。

この記事では、健康寿命の意味や健康寿命を延ばすための取り組みをご紹介します。

再確認!健康寿命と平均寿命の違い

寿命には健康寿命と平均寿命の2つがあります。

  • 平均寿命:人が生存する平均年数
  • 健康寿命:平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間

つまり、人が生まれてから元気に活動できている期間を健康寿命と呼ぶのです。

老後を楽しく過ごしたい方は、健康寿命を延ばすことを意識しましょう。

【参考】「健康寿命 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」詳細はこちら

【参考】「厚生労働省:日本人の平均余命 平成21年簡易生命表」詳細はこちら

日本の健康寿命は世界でトップ

2016年の健康寿命世界ランキングを見ると、日本は男女ともに堂々の1位です。

健康寿命の世界順位 男性 女性
1位 日本:70.6年 日本:75.5年
2位 シンガポール:69.6年 スペイン:73.0年
3位 スイス:69.1年 シンガポール:72.6年
韓国:72.6年
4位 スペイン:68.8年
5位 オーストラリア:68.4年 スイス:72.4年

日本は平均寿命が長いイメージを持っている方は多いと思いますが、健康寿命でも世界トップクラスなのです。

【参考】「平成26年版厚生労働白書 ~健康・予防元年~|厚生労働省」詳細はこちら

平均寿命と健康寿命に差が生まれる3大要因

日本人の平均寿命と健康寿命には大きな差があります。

  • 男性:平均寿命79.55歳−健康寿命70.42歳=9.13年の差
  • 女性:平均寿命86.30歳−健康寿命73.62歳=12.68年の差

参考:各目標項目の進捗状況について |厚生労働省

つまり、男女ともに約10年も介護などを必要として元気に活動できない期間があるのです。

平均寿命と健康寿命に差が生まれる大きな要因には、以下の3つがあります。

その1.脳卒中

脳卒中とは、脳の神経細胞がダメージを受ける病気の総称です。

  • 脳の血管が詰まる脳梗塞
  • 脳の血管が破れて出血する脳出血 など

脳卒中は、昏睡状態になる意識障害や体の運動麻痺などさまざまな後遺症を引き起こします。

こうした障がいには長いリハビリや介護が必要となるため、健康寿命を縮めてしまうのです。

その2.認知症

認知症とは、何らかの原因で脳細胞が死滅してさまざまな障がいを引き起こす症状のことです。

  • 自分の経験や過去が思い出せない記憶障害
  • 場所や人が分からなくなる見当識障害

認知症が酷くなると日常生活にも支障が出てしまい、これまでの生活と同じような生活はできなくなってしまうでしょう。

健康寿命の定義としても、「認知症などの介護が必要な期間を除いた寿命」が含まれています。

【参考】「健康寿命 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」詳細はこちら

その3.骨折・転倒

高齢になると、筋力の低下にともなってバランス能力や歩行能力が低下し転倒しやすくなります。

また、50代以降、骨が弱くなると「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」という状態になる可能性が高くなります。

高齢者はただでさえ転倒しやすい上に、骨も弱っているため簡単に骨折してしまいます。

高齢者の骨折は簡単には回復せず、寝たきりや介護が必要な状態になることもあるのです。

【参考】「骨粗鬆症 -転倒などによる骨折が寝たきり・要介護につながる- | 健康長寿ネット」詳細はこちら

【参考】「転倒 | 健康長寿ネット」詳細はこちら

今から始めよう!健康寿命を延ばすための3つの取り組み

ここからは、健康寿命を延ばすための取り組みをご紹介します。

食事や運動など、どれも難しくなく日常に取り入れるだけでスタートできます。

1.健康的な食事を心がける

健康的な食事はがんや糖尿病などの生活習慣病の予防になり、結果的に健康寿命を延ばします。

朝・昼・夕の3食を摂ることが大切です。食事内容は以下を目安にすると良いでしょう。

  1. 主食・主菜・副菜がそろった食事を1日2回とる
  2. 野菜を約60g分増やす(おおよそ1皿)
  3. 食塩の摂取量を2g減らす(おおよそ小さじ1/2g)

また、忙しくて食事に気を遣うことができない方は、以下のポイントだけでも気をつけてみましょう。

  • 塩分の高い食事を控える
  • 野菜を1品増やす
  • 朝・昼・夕のうち、1回は主食・主菜・副菜をそろえる

無理に改善しようとするのではなく、まずはできるところから始めてみてください。

【参考】「健康寿命の延伸につながる 食育の推進|厚生労働省」詳細はこちら

2.運動を習慣にする

習慣的に運動をすることで、筋力を強化し、転倒や骨折を予防することができます。

また、適度な運動は認知症予防も期待できるため、心身ともに効果的です。

具体的には、ウォーキングなど有酸素運動が良いとされています。

有酸素運動は、心身ともに以下のような効果も期待できます。

  • 筋力・体力の強化
  • ストレス解消
  • 生活習慣病の予防

1日2回、1回約10〜30分の実施を目安に取り入れてみましょう。

【参考】「健康寿命をのばそう|理学療法ハンドブック」詳細はこちら

3.ストレスを抱え込まない

大きなストレスを抱えると病気にかかりやすくなり、健康寿命を縮めてしまうといわれています。

寒暖などの物理的なストレスから、職場や家庭、友人関係などの心理的ストレスなど人それぞれです。

ストレスを受けないようにするのは難しいので、ストレス耐性を高めておくことが重要となります。

  • 考え方を変える:完璧主義をやめる、過去にこだわらない、思考を柔軟にする
  • 睡眠をしっかりとる:毎日7時間以上の睡眠

考え方を変えたり、十分な睡眠を取ったりして、ストレスに強い心と体の状態を作ることが大切です。

【参考】「職員の自殺防止のために|人事院」詳細はこちら

まとめ

老後生活を楽しむためにも、元気に活動できる期間である健康寿命を延ばすことが大切です。

第二の人生ともいえる老後は、これまでできなかったことがたくさんできる期間でもあります。

健康は1日にしてならずなので、食事や運動など日々の習慣を見直してみてください。