老後の余暇を活かして家庭菜園を始めようとするご年配の方は多いです。そのなかには「できれば育てた野菜を食べて、食費を節約したい」と考えているものの、なかなかうまく節約につなげられない人もいます。

実は育てる際の工夫と育てやすく使いやすい野菜をうまく選べば、家庭菜園で食費を節約することができるのです。

この記事では家庭菜園の費用および節約術、おすすめの野菜について紹介します。家庭菜園を趣味としながら食費を節約することができるようになりますよ。

家庭菜園とは?おすすめの理由も紹介

家庭菜園とは?おすすめの理由も紹介

家庭菜園とは、自宅の庭や自宅内で野菜を育てることです。

庭に本格的な畑を作って大規模におこなう人もいれば、鉢やプランターなどをあいているスペースにおいて栽培している人もいます。

豆苗のように生命力の強い「0円野菜」に至っては、切れ端を水を張ったトレーに入れておくだけでも栽培可能です。

このような家庭菜園は、ご年配の方にこそ適している趣味といえる特徴が多数あります。ここからは、家庭菜園がご年配の方におすすめな理由についてみていきましょう。

家庭菜園がおすすめの理由

家庭菜園がご年配の方におすすめである理由は、おもに次の4点です。

  • 旬を感じられる
  • 新鮮で美味しい野菜を食べられる
  • 経済的で節約になる
  • 運動になる

まず、季節ごとに旬の野菜を栽培すると、野菜が育つのとともに四季を感じられます。歳をとると体が衰え、家の中で過ごしがちで四季のうつりかわりを感じにくくなる人もいます。家庭菜園を通じて季節を感じながら充実した日々を送れるでしょう。

もちろん、自分が栽培した旬の野菜を味わえるのも魅力です。同時に本来スーパーで購入する予定だった野菜が一部自分で賄えるため、節約にもつながるでしょう。

最後に、とくに庭や畑などで大規模に整備しておこなう家庭菜園では、土の手入れ、種まき、水やりや収穫といった一連の作業が適度な運動になります。ご年配の方が陥りがちな運動不足の解消にもつながるのです。

家庭菜園はどんなものに費用がかかる?

家庭菜園はどんなものに費用がかかる?

家庭菜園にはメリットがたくさんある一方で、さまざまな準備に費用がかかる点には注意しましょう。どのようなものに費用がかかるかをまとめました。

  • 場所代
  • 種や球根
  • 道具
  • 畑やプランターの土と肥料

栽培するのに適した畑を作る土地がない人はコストをかけて場所を確保するか、場所を取らない方法で栽培するか検討してください。

ただし、新たに土地を購入するとなるまとまったお金が必要になるので、家庭菜園で節約というのはやや難しくなるでしょう。貸し農園については、地域によっては1年間で数千円程度で借りられる市民農園がある地域もあるので、育て方を工夫すれば、総合的に節約につながるかもしれません。

また、プランターや鉢植えで場所を取らずに家庭菜園をおこなう方法もあります。これなら場所に関する費用はかかりません。

続いて種や球根ですが、これは100円均一でも売っている場合があります。そうでなくても園芸店やスーパなどで数百円でまとまった数が購入可能です。

道具についてはスコップ、じょうろ、軍手などが必要になります。それぞれ100円均一でも買えますしホームセンターでも数百円程度で購入可能です。

また、鉢やプランターで栽培する人は、これらも用意しなければなりません。価格は安いものでは数百円程度で購入できます。

最後に、質のよい野菜を育てる場合には土や肥料も必要になるでしょう。家庭菜園の規模によって異なりますが、鉢植え、プランターだけであれば数百円〜千円程度。庭でおこなうとなると、数千円もしくはそれ以上かかるケースもあります。

家庭菜園で食費を節約するポイント

家庭菜園で食費を節約するポイント

家庭菜園を節約を目的としてチャレンジする場合には、いくつかの工夫をしてコストを抑えることも大切です。

家庭菜園はこだわればこだわるほど費用がかかってしまう趣味。とにかく自分が楽しむためならば高い費用をかけても差し支えありませんが、節約を目的としているなら、コストをかけすぎないようにしていきましょう。

家庭菜園の道具を工夫する

スコップ、じょうろ、プランターなどの道具はホームセンターなどで購入してもそれぞれ数百円程度で売っています。

こうした道具は家庭菜園を営むと継続的に使うため、壊れてしまうとすぐに再購入が必要になります。そのため、ある程度耐久性のあるものを揃えておくことがコスト削減につながるのです。

あまり高級なものを購入するのは考えものですが、耐久性も意識して適度な製品を購入しましょう。

生ゴミや落ち葉で堆肥を自作する

肥料や栄養剤は家庭菜園をおこなう際に気になるコストです。こだわり出すと年間数千円〜かかるケースもあり、あっという間に節約の効果が薄れてしまいます。

おすすめなのは生ごみや枯れ葉、落ち葉を貯蔵して堆肥に使用することです。置いておくだけで、堆肥として機能するため手間はほとんどかかりません。ただし、生ゴミはにおいが発生するので、コンポスト容器などを用意して、においが広がらない工夫をしましょう。

0円で始められる家庭菜園を選ぶ

家庭菜園は食べた野菜の切れ端などから栽培を始めれば、実質0円で栽培が可能です。

たとえば、次のような野菜は切れ端を栽培すると、食べる部分を再生させることができます。

食べる部分をそのまま再生させられる野菜

  • 豆苗
  • 水菜
  • ブロッコリースプラウト
  • 芽キャベツ

葉っぱ部分が再生して、食べられるようになる野菜

  • ニンジン
  • 大根

豆苗は生命力がとくに強く、1週間〜2週間程度で簡単に再生するためおすすめの野菜です。

育てやすい野菜を少量から始める

家庭菜園での失敗例として「そもそも野菜が収穫に至るまでに育たなかった」というケースはめずらしくありません。

野菜が育たないと、せっかくかけたコストが無駄になってしまいます。失敗を避けるなら育てやすい野菜を少しずつ育てるのがおすすめです。

このあと初心者におすすめの野菜を紹介しますが、プチトマト、ねぎ、豆苗などは、初心者でもしっかり収穫まで至るケースが多いため最初にチャレンジする野菜として適しているでしょう。

家庭菜園でおすすめの食費を浮かせられる野菜5選

家庭菜園でおすすめの食費を浮かせられる野菜5選

最後に初心者でも簡単で、節約につながりやすいおすすめの家庭菜園向きの野菜を5つ紹介します。

  1. プチトマト
  2. ねぎ
  3. 豆苗
  4. ミニにんじん
  5. オクラ

それぞれ育てやすく比較的収穫量が多い、もしくは何度も収穫できるなどのメリットがあります。

その1.プチトマト

プチトマトは、プランターでも栽培が可能なので、畑がなくともベランダで気軽に育てることができます。また、生命力が強いので、初心者でも日あたりを守り、水を継続的にあげておけば無事に育ちます。

また、1つの苗から多くのトマトが成るため、経済面でもメリットの大きい野菜でしょう。メジャーな野菜で料理へ活用しやすい点もおすすめです。

その2.ねぎ

ねぎは先ほども紹介した通り「0円野菜」の1つ。スーパーで買ったネギの切れ端を栽培すれば、伸びてきます。

非常に再生力が強く、衛生面だけ気を配りながら水をにつけておけば、どんどん伸びてきます。節約という観点からはとても有効な野菜といえます。

その3.豆苗

豆苗も「0円野菜」としては知名度が高い野菜です。こちらも食べない豆の部分を水につけておくと再生します。

日あたりや風通しなど環境がよいと、購入したときに近い量を再生させることが可能です。こちらも一度ならず何度も再生可能な野菜ではありますが、豆の部分が腐ると衛生面が心配なので、初めのうちは様子を見ながら、再生させましょう。

その4.ミニにんじん

ミニにんじんは普通のにんじんよりも小さいですが、家庭菜園向けに育てやすく改良されたにんじんです。水やりの頻度が少ないため、忙しかったり、つい忘れがちだったりする人でも収穫まで持っていきやすのが特徴です。

また、小さいためプランターで育てることができるのもメリット。炒め物、なべ、カレーなど多様な料理に使用できるのも、節約の観点からは魅力です。

その5.オクラ

オクラも実は栽培しやすい野菜の1つで、初心者向きです。畑でも栽培できますが、プランターでの小規模栽培でもしっかりと育ちます。

種から、苗からいずれからでも育てることが可能。適度に肥料と水をあげて、日あたりのよい場所で育てれば、初心者でも収穫に成功しやすい野菜です。

まとめ

家庭菜園は季節を感じることができ、適度な運動をしながら節約にもつなげられる点で、ご年配の方におすすめの趣味の1つです。

畑で大規模に栽培するとこれらのすべてのメリットを得られますが、節約重視なら、0円野菜をペットボトルやトレーなどで栽培すればコストをかけずにできます。

自分にあった規模とやり方でチャレンジしてみましょう。栽培する野菜に迷ったら、まずは今回紹介した5つの野菜から始めるのが、お得で栽培も簡単なためおすすめですよ。