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暮らしのなかでふと俳句を目にしたり、学生のときに川柳を詠んでみたりした人も多いのではないでしょうか。しかし、いざ自分で俳句を詠もうとするとルールや季語の入れ方、何を詠めばよいのかなど、難しく感じる人も多いです。
俳句はルールやどのような季語があるのかを知っておけば、誰でも簡単にできるのです。趣味として気軽に楽しむこともできますし、コンテストに申し込んで高みを目指しながら楽しむこともできます。
今回は、俳句と川柳の違いや、俳句の作り方、簡単な俳句の作り方を流れに沿って説明します。
この記事を読めば、俳句とはどのようなものかを知ることができます。
俳句の作り方を知り、実際に作ってみることで、俳句作りへのハードルが下がるでしょう。そして、ライフワークとして取り入れれば、趣味が増えて充実したシニアライフが送れるようになりますよ。
俳句とはどのようなもの?基本を学ぼう
最初に俳句の概要についてお伝えします。
具体的な作り方を知る前に、まずは同じ五・七・五のリズムで詠む俳句と川柳の違いを押さえておきましょう。さらに、俳句の歴史も紐解いていきます。
俳句についての知識を深め、奥深い俳句の世界に一歩足を踏み入れることで、より楽しく俳句を詠むことができるようになりますよ。
俳句と川柳の違い
俳句も川柳も同じ五・七・五の17音で読みます。それでは、一体何が違うのでしょうか。
俳句と川柳では、詠む対象が異なります。俳句は自然に詠嘆し、その心情を詠みます。そのため、「季語」と呼ばれる四季折々の自然を表現する言葉を使うのです。
一方、川柳は人や世の中に対して感じたことを詠みます。そのため季語は必要ではありません。
何を詠むのかを知っていると作りやすくなりますね。
俳句の歴史
俳句の歴史について、漠然と昔から詠まれているイメージはあるとは思いますが、実際はいつから始まったのでしょうか。
俳句の元となる「発句」は松尾芭蕉によって江戸時代前期にはじまりました。その後さらに、与謝野蕪村や小林一茶の活躍が続き、世に広まっていきます。
そして明治時代になり、正岡子規によってようやく「俳句」と呼ばれるようになりました。
俳句の基本的な作り方やルールとは
俳句を作るときのルールをお伝えします。基本的なルールが分かれば俳句を簡単に作ることができますよ。
俳句は、五・七・五の17音が基本の形で、17音で詠まれる俳句は定型俳句と呼ばれています。文字数に囚われない自由律俳句という形もありますが、応用的な部分なのでまずは、基本の形を身に着けていきましょう。
俳句は17文字ではなく17音で作りますが、そのなかで一音として数える言葉とそうでない言葉があります。
まずは、音の数を数えるときに注意が必要な拗音、促音、長音符の数え方を紹介しますので、俳句を詠むときに参考にしてくださいね。
次に字余り、字足らずについて、最後に季語について紹介します。
拗音・促音・長音符の数え方
拗音(ようおん)とは、たとえば「きょう」「しゅくだい」のような言葉のなかの「ゃ、ゅ、ょ」のことです。拗音はその前の文字と合わせて発音されるため、前の文字とセットで一音と数えます。
たとえば「きょう」なら2音、「しゅくだい」なら4音です。
また、「きって」「ゆっくり」のような言葉にある小さい「っ」は、促音と呼ばれています。促音は一音としてカウントします。
たとえば「きって」は3音、「ゆっくり」は4音です。
そして「スープ」「ゲートボール」のようなカタカナで表記する言葉でよく用いられる「ー」を、長音符(長音)と呼びます。長音符も一音として数えます。
したがって、「スープ」は3音、「ゲートボール」は6音です。
拗音のみ前の文字とセットで数えるので気をつけましょう。
字余り字足らず
基本的に17音で作ることが俳句の基本形ですが、ときに17音を超えたり、逆に足りなかったりすることもあります。
この17音を超えている状態を「字余り」、足りない状態を「字足らず」と言います。これは作品の印象を強くするために意図的に取り入れられるものです。
少し技術が必要なものになりますので、最初は五・七・五を意識して作るようにしましょう。
季語を取り入れる
次に俳句を作るうえで大切な「季語」です。
日本の四季を感じさせる言葉が季語となります。たとえば、春であれば「桜」のように春らしい季語以外に、「雛祭り」や「雪解け」などがあります。
どのようなものを季語として取り入れればよいか迷う場合は、「歳時記」という四季の事物や年中行事などをまとめたものを参考にすると作りやすいです。
さまざまな出版社、著者の歳時記が出ているので、自分にあったものを見つけるのも楽しいですよ。
歳時記では旧暦で季節が分類されていることが多いため、現代の季節感と少し違うこともあります。いつの季語なのか、一度確認してから使うとよいですね。
俳句を作り方を流れに沿って確認しよう
俳句の概要について見てきましたが、実際はどのように作っていけばよいのでしょうか。俳句を詠むにあたっては、季節の行事を詠みたい、面白い俳句を詠みたいなど、さまざまな目的があると思います。
ここからは題材を選び、俳句を作る具体的な流れを説明していきます。
ここだけでは紹介しきれない細かいルールはたくさんありますが、難しく考えず気軽に始めることができる内容を紹介しますので、一緒に作ってみましょう。
その1.テーマを考える
いざ俳句を詠むとなると、何を題材に詠もうか迷ったり、悩んだりするのではないでしょうか。
家の庭や散歩道で見える風景、参加したイベント、趣味のことなど、特別ではなく日常の何気ないことから選んでみましょう。
最初は難しく考えすぎず、身近な自然や経験、自分の好きなものを題材にするのがおすすめです。
その2.普段の言葉で感想を考える
いきなり五・七・五で詠むのではなく、まずはテーマに対して感じたこと、心が動いたことを普段の言葉で表現してみましょう。
何にどんなことを感じたのか、どんなふうに見えたのかなどを詳しく書くことで、俳句を通じて伝えたいことが明確にイメージできるでしょう。
その3.言いたいことを絞る
普段の言葉で表現した内容を今度は要約してみましょう。
俳句で言いたいことは1つに絞る必要があります。何を伝えたいのか、簡潔に一文にまとめてみてください。
その4.五・七・五にしてみる
そして、簡潔にまとめた言葉を五・七・五に変えていきます。17音にするため、違う単語に置き換えたり、表現方法を考えたりします。
自分の伝えたい気持ちに言葉がぴったりはまると、俳句の楽しさが増しそうですね。
その5.切れ字を使う
句の途中や最後の文字を「や・かな・けり」などにすることを切れ字と言います。
たとえば、「美しい」ではなく「美しや」にするとぐっと俳句らしくなるでしょう。
ご紹介した3つの切れ字以外にも切れ字はありますが、まずはこの3つを使ってみてくださいね。
まとめ
俳句は基本的なルールが分かれば、誰でも楽しめる趣味です。一方で、俳句を学び詠んでいくことで、さらに奥深い俳句の世界を楽しむことができます。
まずは大まかなルールを知り、難しく考えすぎず日常や旅先の風景を気軽に詠むことで俳句の楽しさを知ることができます。
一人で楽しむのもよいですし、サークルに参加したりコンテストに応募したりして、人に見てもらう機会を作ってより技術を磨いていくのもよいですね。
この記事を読み終えたら、まず身近なところから一句詠み始めてみてください。