年金をどのように管理したらよいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

年金を管理するなら、家計簿をつけることをおすすめします。

家計簿をつければ、無駄な出費を把握しやすくなり、計画的にお金を管理できるからです。

この記事では、年金生活で家計簿が重要となる理由や、シニアライフの生活費の内訳、家計簿をつける際のポイントを紹介しています。

最後まで読めば、年金生活でどのような暮らしをしていけばいいかのヒントを得られるでしょう。

年金生活で家計簿が重要となる理由

年金生活で家計簿が重要となる理由は?

年金生活は、月に一度の給与で生計を立てる場合と状況が異なります。

年金生活で家計簿が重要となる理由は、以下のとおりです。

  1. 収入が2か月に1回になる
  2. 計画的に貯蓄から切り崩す必要がある

家計簿をつければ、今どのような生活をしているのかわかり、そして今後どうしていけばよいのかの道筋を立てやすくなります。

それでは、一つひとつ詳しく説明していきましょう。

1.収入が2か月に1回になる

年金の支給日は偶数月の15日のため、収入が2か月に1回になります。

つまり、毎月給与を受け取っていた人が年金のみで生活する場合は、今までの倍の期間で収支の計算をする必要があるのです。

家賃や光熱費、通信費などの固定費のほとんどが、月に一度の支払いなので気をつけなければいけません。

2か月の間一定の生活の質を保つためには、家計簿をつけて計画的な収支のプランを立てるのが有効です。

2.計画的に貯蓄から切り崩す必要がある

老後は貯金を計画的に切り崩す必要があります。

日本年金機構の令和4年4月分からの年金額等についてによると、年金受給額は、以下のとおりです。

国民年金(老齢基礎年金の満額)

厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)

月64,816円 月219,593円

厚生年金については、平均的な収入(賞与含む月額換算:43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金の満額)の給付水準です。

ただし、年金受給額は過去の収入の状況などによって異なります。

また、家の修繕や大型家電の買い替え、病気などで大きな出費がある場合には、計画的に貯金を切り崩していかなくてはなりません。

その際に貯金がいくら残っているのか把握するために、家計簿に記録を残しておくことは、非常に重要です。

シニアライフにかかる生活費の内訳

シニアライフにかかる生活費の内訳

ここでは、シニアライフを送っている人の生活費の内訳を紹介します。

生活費の具体的な内訳を知れば、年金生活へのイメージも湧きやすくなるでしょう。

家計簿で予算を立てるときの参考にもなるので、ぜひチェックしてみてください。

  • 夫婦2人の場合
  • 一人暮らしの場合

この2つのパターンについて、生活費や生活費の内訳を紹介していきます。

夫婦2人の場合

総務省の家計調査年報(2020)によると、夫婦2人の生活費は平均で1か月約224,390円です。

具体的な生活費の内訳は、下記の表を参考にしてください。

支出の種類 支出額
食料 65,746円
住居 14,585円
水道・光熱費 19,746円
家具・家事用品 10,322円
被服及び履物 4,712円
保健医療 16,156円
交通・通信 26,702円
教養娯楽 19,746円
その他の消費支出 46,673円
合計 224,390円

ここでの住居費がは14,585円となっていますが、賃貸の場合は上記より金額が高くなる可能性があります。

そのため、年金だけでは赤字になる可能性があり、貯蓄を切り崩す場合もあるでしょう。

一方で、シニア世代になると、レストランや映画館、観光地などさまざまな施設のシニア割引を利用できるようになります。

シニア世代のための、お得なサービスを実施している自治体も増えています。

そのようなサービスを活用して、節約しながら年金生活を楽しんでいきましょう。

一人暮らしの場合

総務省の家計調査年報(2020)によると、単身世帯の生活費は平均で1か月約133,146円です。

具体的な生活費の内訳は、下記の表を参考にしてください。

支出の種類 支出の種類
食料 36,615円
住居 12,383円
水道・光熱費 12,915円
家具・家事用品 5,326円
被服及び履物 3,196円
保健医療 8,255円
交通・通信 11,983円
教養娯楽 12,915円
その他の消費支出 29,558円
合計 133,146円

一人暮らしの場合でも、住居費が12,383円となっておりますが、賃貸の場合には上記よりも金額が高くなる可能性があります。

シニアライフの一人暮らしは、自分のペースでゆっくりときままに暮らせるという利点があります。

節約をするにしても、お金をかけたい部分と、削減したい部分を自分の好きなように決定できるでしょう。

家計簿に関しても、自分の好きな様式で楽しみながら記録していくことをおすすめします。

家計簿をつける際のポイント

家計簿を付ける際のポイント

年金生活で家計簿をつけるなら、一般的なつけ方とは違う点があることを知っておいたほうがよいでしょう。

家計簿をつける際のポイントは、以下のとおりです。

  1. 2か月分の予算を立てる
  2. 項目ごとにいくら使ったかを記録する
  3. 定期的に振り返りをおこない、収支のバランスを見直す

これらの事柄に気をつけて家計簿をつけていれば、決められた予算内でよりよい暮らしを送りやすくなるでしょう。

家計簿は手書きやパソコン、もしくはスマートフォンでも構いません。

自分に合ったやり方で家計簿をつけていきましょう。

ポイント1.2か月分の予算を立てる

年金生活で家計簿をつける場合は、2か月分の予算を立てる必要があります。

まずは、2か月分の生活費の総額を決定しましょう。

そして、2か月分の住居費や水道光熱費、保険料などの固定費を書き出し、差し引いておきます。

残った資金は2つに分けて、1か月単位で食費や消耗品費、娯楽費などの流動費の予算を立てましょう。

生活資金をまとめて1つの財布に入れてしまうと、予算の把握がしづらいため、封筒などを利用して予算を項目ごとに分けて使うことをおすすめします。

ポイント2.項目ごとにいくら使ったかを記録する

お金を使った際は、その都度項目ごとにいくら使ったかを記録していきます。

項目分けは、あまり細かくしないのがポイントです。

店ごとにひとくくりにしてしまうのもよいでしょう。

ただし、自分がとくに知りたいと感じている項目については、ほかの項目と一緒にせずに、チェックしてください。

家計簿は、細かい部分とざっくりした部分のメリハリをつけることで、自分が意識するポイントが明確になり、無駄を省いた家計簿ができあがります。

ポイント3.定期的に振り返りをおこない、収支のバランスを見直す

月末あたりになったら、今まで項目別につけてきた家計の記録をまとめ、1か月の間に各項目でどれくらい使ったのかを出していきましょう。

あらかじめ設定した予算の横に記入すれば、予算に対しどれくらいの出費をしたのかがすぐにわかり、収支のバランスが取れているのかどうかの確認もできます。

もし予算をオーバーしてしまい、収支のバランスが崩れてしまっていると感じたら、予算がオーバーしてしまった項目について見直しをおこないます。

保険やスマートフォン、サブスクリプションなどについても、今の自分の生活に合うプランへ変更したり、退会を検討するのも有効な手段です。

収支のバランスについて知ることが、家計簿をつける最大の目的でもあるので、しっかりと振り返りをしましょう。

まとめ

年金生活への不安は、多くの人が抱えているものです。

「本当に生活していけるのか」と考え込んでしまうこともあるでしょう。

家計簿をつけて計画的に家計の管理をすれば、自身がどのような生活をしていけばよいのか分かります。

きちんと予算を組んでいれば、趣味や娯楽も存分に楽しめるでしょう。

収支を把握し、充実したシニアライフを満喫してください。