Tomoya Namikoshi Mami sakurai

健康寿命を伸ばすための血流の重要性と整え方

日本独自の手技療法として知られる指圧。2025年に100周年を向かえた浪越指圧の4代目として積極的に活動されているのが浪越友哉さんです。一方、元ミス・インターナショナル日本代表で現在は医学博士として様々な研究を行なっている櫻井麻美さん。今回はお二人が初対面し、血流や健康寿命を伸ばすためのヒントなどに関して対談していただきました。

浪越指圧4代目 浪越友哉さん 対談 医学博士 櫻井麻美さん

日本独自の手技療法として知られる指圧。2025年に100周年を向かえた浪越指圧の4代目として積極的に活動されているのが浪越友哉さんです。一方、元ミス・インターナショナル日本代表で現在は医学博士として様々な研究を行なっている櫻井麻美さん。今回はお二人が初対面し、血流や健康寿命を伸ばすためのヒントなどに関して対談していただきました。

Profile

  • 浪越友哉さん

    1994年東京都出身。幼い頃から指圧に触れ、大学卒業後、指圧の世界へと進みました。曽祖父であり、浪越指圧の創始者である浪越徳治郎さんの心技を受け継ぎ、4代目として活躍中です。
    浪越指圧アソシエイツ
    http://www.namikoshi-shiatsu.co.jp

  • 櫻井麻美さん

    2006年度ミス・インターナショナル日本大会優勝、同世界大会4位。美と健康を追求する中で骨盤調整に出会い、指導者となる。2016年、順天堂大学大学院医学研究科に入学し、2022年3月タキシフォリンの研究で医学博士号を取得。ビューティ&ウェルネス専門職大学講師、順天堂大学医学部非常勤助教。国際タキシフォリン学会理事。

  • お二人のご経歴を教えていただけますか?

    浪越:私は生まれた瞬間から指圧の世界と共に成長してきたと言っても過言ではありません。母が私を授かった時からベテランの指圧師から施術を受けていて、生まれる前から感覚的に指圧を刷り込まれていた感じです。曽祖父であり浪越指圧の創始者である浪越徳治郎は、マリリン・モンローやモハメド・アリにも指圧したことで知られており、多くの人々の健康に寄与しました。祖父、父が浪越指圧をさらに発展させ、「SHIATSU」として世界中に普及させていきました。その志を継承すべく、23歳の時に国家資格を取り、浪越指圧の4代目として指圧を行なっています。

    櫻井:元々は多摩美術大学で制作活動をしていました。在学中にミス・インターナショナルの日本代表選出大会で優勝し、世界大会に出場。その時に、世界のミスたちは明らかに私より肉付きがいいのに、ウエストが引き締まっていたんです。とてもスタイルが良くて美しい。私はどんなに体重を落としてもお腹がぽっこりなまま……、何が違うのだろうと不思議に思いました。詳しく調べてみると、その原因は姿勢だということに気づきました。そこで自分なりにさまざまなことを試してみたところ、骨盤調正と出会いました。骨盤調正のストレッチを始めてみたら、痩せなくてもお腹がペタンコになるということがわかりました。さらに重度の生理不順だったのですが、それも改善。体の内側から健康的にきれいにしてくれることを実感し、そこから運動療法を学び、骨盤調正に関する資格を取得して、骨盤調整の仕事に従事しましたが、さらにエビデンスを深めるために医学の道に進むことになりました。

  • お二人の仕事の領域である血流についてお伺いできますか?

    櫻井:血流は年齢を重ねてから悪くなるというイメージが強いですが、実は20代前半ぐらいがピークで、そこからはずっと血流自体は落ち続けていきます。ただそれは悪いことばかりではなく、成長期が終わるとともに血液に栄養や酸素などが以前ほど必要なくなってくることや同じことでも効率よくできるようになることにより需要が減って、20代前半ぐらいから徐々に下がっていくものなのです。問題なのは血管や血液の老化が始まり、血液を送り出す力や毛細血管の減少などにより血流が減ってしまうこと。その結果、健康や脳に悪影響を及ぼしてしまうことなのです。

    浪越:血流を押し出す力が落ちてくるのは、筋の拘縮や筋力の低下、さらに年齢を重ねることで柔軟性が落ちてくるなど、さまざまな要因があります。血流量が悪くなり、押し出す力も落ちてきますので、その対応を意識していくことが大事です

  • 血流を改善するためにはどのようなことを意識すればいいでしょうか?

    浪越:筋肉が拘縮していると、体が痛いとか、凝っているとか、ちょっと重だるいかなというような倦怠感を感じます。この筋の拘縮を柔軟化させるのが指圧です。柔らかくタッチしていき柔軟化させ、血流を良くして血を巡らせていってだんだん弾力を戻していきます。ホースの水を撒くときに対立圧をかけるとピューと勢いよく出ますよね。指圧はこれを血管の中で起こすイメージと考えてください。そのため、マッサージのように揉んだりこねたりはしません。面に対して垂直に押していくことで対立圧を生むので体に負担がかかりませんし、筋繊維にも影響が出にくく、自然に体幹から末梢にまで血液を届けていくのが指圧です。新しい血をどんどん巡らせていくイメージで施術を行なっています。

    櫻井:指圧はいわゆるマッサージとは違うのですね。マッサージはさすったり、揉んだりして筋肉自体を柔らかくしようとするイメージが一般的にあリますが、指圧は血流を良くすることによって、血液が隅々までちゃんと届いて、酸素と栄養素を行き渡たらせて柔らかくなるということでしょうか? ということはもみ返しなども少ないのですか?

    浪越:その通りです。浪越指圧は今年、2025年9月に100周年を迎えました。創始者の浪越徳治郎が、母親の関節リウマチの痛みを指で押して痛みを和らげていたことから指圧が生まれるきっかけとなりました。指圧は面に対して垂直に押し、心臓からの動脈血を流す手技療法ですので、血流を常に意識しています。

  • 脳の血流に関してはいかがでしょうか?

    櫻井:脳の血流はとても大事で、悪くなっていくと血液で運ばれる栄養素や酸素などが届きづらくなります。脳はアミロイドβなど認知症の原因になる老廃物を排出していきますが、血流が悪くなるとその流れが滞り、排出しづらくなります。その結果、栄養や酸素が足りなくなり、神経も傷んできます。短期的な影響としては注意力や処理速度が一時的に落ちてきたりしますが、それが続くと認知症や脳萎縮につながってしまうので、脳の血流は特に気をつけることが必要です。

    浪越:浪越指圧でも特に重要視しているのが首の指圧です。今のデジタル社会ではあらゆる職種の方の首が張っている状態。特に椎骨動脈が圧迫されている方が多く、頭がボーっとするとか、頭が痛いなどの症状は、脳へしっかりと血流を送れなくなっていることが要因です。体へ指示を送るのは脳からなので、しっかりと首を指圧して脳へ血流を送ってあげることをポイントとしています。

    櫻井:私が今、注目して研究しているのがタキシフォリンという成分。天然のフラボノイドでポリフェノールの一種になります。シベリアのとても寒いところにあるダフリアカラマツという大木から取れるもので、大変な生命力を持っています。血流を改善する作用があるのですが、それだけでなく加齢に伴うシミやしわ、たるみなどの老化現象やメタボリック症候群から始まる糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、さらに歯周病に対してなど、多方面で結果が出ています。また、近年特に注目されている分野は認知症です。認知症ではアミロイドβが凝集して排出されづらくなりますが、タキシフォリンはその凝集を防いで排出しやすくしてくれる上に、脳の血流も正常化することで認知機能を改善したということが2017年に国立循環器病センターで行われた認知症モデルマウスの研究で報告されています。臨床試験でも、中高年の加齢により低下していく認知機能がタキシフォリンによって維持されたことが報告されていて、認知症になる前から是非摂っていただきたい成分です。さらに、最近では育毛効果も報告されていて、私もタキシフォリンの育毛剤を作って脱毛症で悩んでいる方に試してもらったのですが、毛量が増えていたのでさらに研究したいと思っています。

  • 足の血流も大切ですか?

    浪越:ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれているとても重要な部位です。ポンプの役割をしているふくらはぎですが、疲労すると老廃物が溜まり張ったりしますので、柔軟化をしていく必要があります。浪越指圧では生活習慣もアドバイスしますが、歩き方もとても大切です。かかとから着地して、しっかり足の裏を使って、つま先で蹴る、という歩行の仕方を指導しています。踵は乾湿が大きく、老廃物がとても溜まりやすい場所。そこで、かかとから着地をしてその反動で静脈に老廃物を戻していくのです。靴や歩きスマホの影響もあると思いますが、最近ではつま先歩きの方が多いので、まずはかかとから着地してつま先へという意識を持って歩いてみてください。

    櫻井:私もウォーキングの指導をしていますが、かかとから着地できていない方がかなり多いと感じています。そのためすり足になってしまって母指球をしっかり押せず、さらに足首が使えていないため、ふくらはぎの伸縮がほとんどない状態で歩いてしまっている方を多く見かけます。教鞭をとっている大学でも、若い学生さんがそのような歩き方をしていることが多いので、着地の仕方などをしっかり見直すことはとても大事ですね。

    浪越:歩きスマホした時の歩き方を思い出していただきたいのですが、一歩目と自分の胸の骨の位置はだいたい同じ場所になってしまっています。そのため前傾で歩いてしまい、つま先歩きになってしまうのです。しっかりと手を振ったりとか、足首や足裏をキチンと使って歩行することができなくなっているんです。

    櫻井:女性の場合はヒールを履くことも多いですが、ヒールウォーキングの場合はかかとから歩こうとすると危ないので、つま先とかかとはほぼ同時に着地するようなイメージで歩くように指導しています。その代わり、骨盤をしっかりと起こして重心を高く持って歩き、負荷を最小限にした歩き方を意識してもらうようにしています。

  • 足裏のケアも必要ですか?

    浪越:足裏には老廃物が溜まりやすく、しっかりとデトックスするためにも刺激をすることがポイントです。指圧をすることで血流が良くなりますし、足裏にある感覚受容器が刺激されることで脳への刺激にもなります。私は足裏を刺激することができるインソールを大変気にいっておりまして、普段から愛用しています。

    櫻井:トレーニングする前に足つぼマットに乗って足裏を刺激することもおすすめです。その後にスクワットしたりするとフォームが安定しますので、足裏の刺激は姿勢維持にとてもいいと思います。

    浪越:足裏というと平な部分のみを意識しがちですが、足指も重要です。櫻井先生が言われたように足つぼマットに乗って感覚を刺激して、足指まで細かく使えるようにしていくことは非常に効果的。脳に対してもいい刺激が期待できます。

  • 血流を良くするために普段から心がけた方がいいことはありますか?

    櫻井:血流に関しては姿勢がとても大事だと思います。正しく立つことは意外と難しく、私自身も姿勢がすごく悪かったことが心身に大きく影響していました。骨盤調正に出会って、骨盤をしっかりと起こしてまっすぐ立つということを意識するだけで、めぐりが良くなりました。座っている時も坐骨を足だと想定してみてください。そうすると骨盤が起きて、お腹に力が入り腹筋も鍛えられます。

    浪越:先ほどもお話ししたように、歩くときに前傾になってしまいつま先歩きをしている方が多いので、膝とつま先が同じように進行方向に向いているかをチェックしてもらうといいと思います。エレベーターを待っている時や外で信号待ちの時など、常にチェックするように意識していただけるといいと思います。

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浪越友哉さんと櫻井麻美さんがラグジュアリーなシーンでのファッションやシューズについてお話しいただいた
インタビューは以下でお読みいただけます。

madras journal

https://www.madras.co.jp/contents/journal/story/detail/38